モロッコで通貨需要が大幅な高まり
2011年07月21日付 al-Hayat 紙


■モロッコで通貨需要が大幅な高まり

2011年7月21日付『ハヤート』紙

【ラバト:ムハンマド・アル=シャルキー】

モロッコ中央銀行(アル=マグリブ銀行)は、国内の商業銀行が高まる通貨需要の対応に追われていると発表した。対外純資産の減少と外貨流出の結果、7月中旬の通貨需要は320億モロッコディルハム(40億ドル)に達すると見られる。企業や在外資産からの利益配当と、夏の休暇・旅行シーズンにおける銀行財源への圧迫がその理由だ。

中央銀行の月次報告書によると、モロッコ証券取引所の上場企業は総額200億ディルハムあまりを今年上半期の配当として株主に支払い、そのうち11億ドルが外国人株主向けに海外送金された。また、観光収入は9.2%増の220億ディルハムに達したが、一方で海外からの投資は90億ディルハムに落ち着き、政府は26億ディルハム(3億3300万ドル)もの外貨を放出する結果となった。

中央銀行の準備預金は昨年度末と比較して16%減少し、1710億ディルハムとなった。また、モロッコ産のリン鉱石の売上が220億ディルハムに増加したにもかかわらず外貨が減少した理由は、エネルギー資源や食糧の価格高騰によって今年の1月~5月の間に貿易赤字が深刻化し、その額が100億ディルハムに達したためだと中央銀行は見ている。

輸入額は1470億ディルハムに達し、そのうち360億ディルハムを占めたのが、44%も価格が上昇したエネルギー資源であった。一方で輸出額は700億ディルハムであった。また、財源不足により不動産ローンと個人ローンのペースが落ち、6%増の6400ディルハム、住宅ローンは8.7%増の1980億ディルハムとなった。これに比べて3年前には、年間増加率が28%に達していた。ちなみに、不動産ローンは銀行システムの健全性の指標とみなされている。

さらに報告書は、主要な上場企業の株式が値下がりを記録したことも指摘した。値下がりした銘柄には銀行が含まれており、BMCE(Banque Marocaine du Commerce Extérieur)の株式が23%、フランスのパリバ銀行系列のBMCI(Banque Marocaine pour le Commerce et l'Industrie)の株式が11%、ワファー商業銀行の株式が12%、人民銀行の株式が5%下落した。また、モロッコ証券取引所の今年上半期の株価指数は9%下落した。

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( 翻訳者:今井花南 )
( 記事ID:23396 )