筑波大チーム、ハサン・ケイフで新石器時代の動物像発見
2011年07月25日付 Milliyet 紙

バトマン県ハサン・ケイフ郡を通るチグリス川沿いで、日本の科学者たちが発掘作業を行い、新石器時代の野生動物の角と住居跡を発見した。

アブドゥセラム・ウルチャム博士が隊長を務めるハサン・ケイフ発掘隊は、ハサン・ケイフから700メートル先のチグリス川沿いにある遺跡の発掘調査で
紀元前9500年の動物の骨と住居跡を発見した。ウルス・ダムの建設で水没の脅威にさらされているハサン・ケイフでおよそ10000年前の野生動物の角と住居跡を探り当てたのである。

ハサン・ケイフ発掘責任者アブドゥセラム・ウルチャム博士は、今年は町の中心部から700メートル離れた場所で発掘調査を行っていると言い、以下のように述べた。

「ハサン・ケイフの住居跡が中世から残る地区で、発掘されるべき公有地はもう残っていない。このとめ、今年はハサン・ケイフから700メートル先の2か所で発掘を行っている。
この地区ではシリア正教の教会を発見したので、「シリア教徒の定住跡」と呼んでいます。下流のハサン・ケイフ遺跡でも発掘調査を続けている。
遺跡発掘は日本から来た17人の科学者によって行われている。シリア教会地域でバトマン大学の生徒も発掘を行っている。
 7月末というところで発掘調査は終わる予定だ。今回、発掘調査で多数の動物の骨を発見した。この野生動物らしき骨は何なのか調査が続いている。発掘での発見物(の骨)は貯蓄所で合体され、博物館へ送られる予定だ。」

また、ウルチャム博士はセリム一世時代のオスマン帝国の銘刻も見つかったとも述べ、以下のように発言した。

「1517年にセリム一世によって造られたモスクで、オスマン語で書かれた銘刻も見つかった。オスマン語、つまり、トルコ語の銘刻だ。
私たちはハサン・ケイフ遺跡で2009年に発掘調査を始めたが、筑波大学の三宅裕准教授をはじめとする17人の日本人科学者もさらなる発掘調査を行っている。
ここハサン・ケイフで9500年前の新石器時代に人が暮らしていたということが、確かな発掘物により、すなわち、動物の骨とその時代の住居の構造から、はじめて証拠づけられた。
新石器時代、つまりアナトリアのチャタル遺跡と同時代の定住跡であることがわかった。
私たちは考古学において確かな時代確定を、証拠に基づき論じている。
この遺跡で、動物の骨はすべて野生動物のもので、建物の単純構造も、ここが約9500年前の新石器時代の住居であったことを証明している。」

■17人の日本人が遺跡発掘

バトマン県ハサン・ケイフ群チグリス川沿いの「ハサン・ケイフ遺跡」では、日本の筑波大学三宅裕准教授を代表とする17人の日本人科学者が、発掘調査を続けている。
三宅裕准教授は、遺跡で新石器時代の動物の角と住居跡が見つかったことを明らかにし、以下のように述べた。

「ハサン・ケイフ遺跡で多数の球形やşöbe型の構造物の跡を発見した。
構造物が球形であることは、時代は旧石器時代末か新石器時代初期あたりであることを現している。ここでは三つの時代に属する出土物がでた。最上部はヘレニズム時代、その次は、鉄器時代のものである。基本的な出土品は、新石器時代の皿で、量も多い。
時代としては新石器時代初期とみられる。出土品からみて紀元前9500年である可能性が考えられる。この時代に農業がおこなわれていたという証拠の植物、家畜化された動物はまだ発見されていない。」

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( 翻訳者:藤井彩香 )
( 記事ID:23421 )