ノルウェー連続テロ犠牲のギゼムさん、砕かれた国会議員への夢
2011年07月25日付 Milliyet 紙
ノルウェー連続テロ事件で行方不明となったギゼム・ドアンさんは、パン工場に勤務する父親の娘であった・・・。ギゼムさんは昨年ノルウェーの国会でスピーチを行なった経験がある。
ノルウェー人で過激な民族主義者であるアンネシュ・ベーリング・ブレイビク容疑者は、先週の金曜日ウトヤ島で行なわれたノルウェー労働党青年部のサマーキャンプで大量殺人に及んだ。この事件による行方不明者の一人である17歳のトルコ人女性、ギゼム・ドアンさんの家族は娘の無事を伝える知らせを心から待ち望んでいる。
■国会に参加した経験
ノルウェーのトロンハイムに暮らすギゼムさんの父アブデュルカーディルさんと母のギュルデレンさんは、まだ正式な情報が入っていないのだからと娘の生存を信じている。
一家の長子であり高校生のギゼムさんは、トロンハイム労働党青年部において非常に熱心に活動し、運営にも加わっていた。ギゼムさんは、昨年の12月ノルウェー国会においてイスラエル・パレスチナ問題に関するスピーチを行ない評判になった、若く将来有望な政治家として記憶されている。ギゼムさんは、同じ町に住むトルコ人の若者たちをも政治活動に誘っていたという。ギゼムさんは、一年前トロンハイムで活動を始めたメヴラーナ文化協会が所有するトルコ式モスクのコーラン教室にも3か月間通った。不正に対し勇敢にそして容赦なく立ち向かうギゼムさんの姿は友人たちの間でよく知られており、みな型破りな少女だと形容する。インターネット上に開設されたギゼムさんの追悼ページにメッセージを残していく人々も、この若い少女がいかに陽気であったか強調している。
■ノルウェーからビザの簡略化
1,500人のトルコ人が暮らすトロンハイムの町でパン工場に勤務する父のアブデュルカーディルさん、専業主婦である母のギュルデレンさん、そして5歳の双子の弟たちのことを、(周囲の)トルコ人たちは常に気にかけて慰めようと努めている。またノルウェー政府は在トルコ大使館に、トルコにいるギゼム・ドアンさんの親族がノルウェーに来ることを希望した場合、ビザ取得における全ての問題を排除し、簡略化のためあらゆる便宜をはかるよう指示を出したことが明らかになっている。
■キャンプには他にもトルコからの参加者がいた。
ウトヤ島で両脚を撃たれたアフガニスタン人のヒュセイン・カゼミさんは、キャンプにはトルコ人の若者たちがいたと話した。 19歳のカゼミさんは、キャンプで国際サッカー・トーナメントが開催された直後にブレイビク容疑者が銃撃を行なったと述べている。 カゼミさんによると、「トルコのクルド人居住地区や、アフガニスタン、グルジアやイラクから」も政治活動家たちがトーナメントに参加していた。また同氏は、ブレイビク容疑者は特定の人種の人々を狙ったわけではなく、キャンプにいた全員を標的にしていたと語った。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:23428 )