アフマド・ハータミー「国内が不安定であるかのように思わせる雰囲気を作り出してはならない」
2011年07月23日付 Jam-e Jam 紙
テヘラン臨時金曜礼拝導師のアフマド・ハータミー氏は、このところ「悪を禁ずる」立場の人たちが襲撃される事件が続発していること〔※〕に遺憾を表明し、「これまでの捜査によると、これらの〔犯罪〕行為は組織的なものではないとのことだ。とはいえ、国内があたかも不安定で、社会に絶望的な空気が流れているかのような雰囲気が作られてはならない」と述べた。
〔※最近、神学生の若者が何者かに襲撃される事件が立て続けに起きたことを指す〕
イラン国営放送(IRIB)によると、ホッジャトルエスラーム・ヴァル・モスレミーン〔※1〕のセイエド・アフマド・ハータミー氏はテヘラン金曜礼拝での説教で、「《善を命じ、悪を禁ずる》人物〔※2〕が襲撃されるようなことが許されてはならない。コーランも、こうした襲撃者たちを、不信心者や預言者殺しどもと同列に扱っている」と強調した。
〔※1シーア派の宗教指導者の位階の一つで、アーヤトッラーよりもワンランク下の人物に用いられる〕
〔※2「善を命じ、悪を禁ずる」(勧善禁悪)はイスラームの行動原則の一つで、「善を命じ、悪を禁ずる人」とは、宗教指導者ないし神学生のことを指す〕
ハータミー氏は、イランは世界で最も安全な国であると指摘し、「これらは些細な問題である。しかし、司法がこの問題を適当にやり過ごすようなことがあってはならない。われわれが司法に期待しているのは、イスラーム法の基準を守りつつ、ならず者どもの鎮圧に向けて速やかに行動してもらいたい、ということである」と語った。
同氏は説教の他の箇所で、アメリカでの人権侵害やアメリカの指導者たちの犯罪行為を非難した上で、200名の国会議員らの署名によって、米当局者を制裁・告発するための一種緊急法案が提出されたことに感謝の意を表明し、「アメリカのある州では、バス料金を払わなかった若者が警察から5発の銃弾を浴びて殺害される事件が起きている。その一方で、アメリカの人権擁護の叫び声は天に轟くほどかまびすしい」と付け加えた。
同氏はさらに、イギリスで最近起きた恥ずべき事件について触れ、「電話盗聴問題をイギリス人民に暴露した記者が殺害されるという事件が起きた〔※〕。このことは、イギリス市民の権利など彼ら〔=イギリスの為政者〕にとって重要ではなく、イギリスでは人殺しは当たり前のことになっていることを示している」と続けた。
〔※イギリスの大衆紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドによる盗聴事件と、盗聴を告発した元記者の男性が自宅で死亡しているのが見つかった出来事のことを指す。英当局は「事件性はない」としている。〕
同氏は、ガザ地区の人々への救援船に対してシオニスト体制が攻撃を行っていることについて、同体制とその支持者らにとって新たな不名誉となっていると指摘し、「昨年も、シオニストらはガザの虐げられた人々のための救援船を襲撃し、乗組員9名を殺害している」と非難した。
(本記事は
Asahi中東マガジンでも紹介されています。)
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( 翻訳者:古賀夏樹 )
( 記事ID:23432 )