中東工科大のTVコマーシャルに高等教育機構、取調べ
2011年07月29日付 Milliyet 紙


中東工科大学(ODTÜ)は、同大学のコマーシャルを作成し、学部決定試験(LYS)で高得点の学生たちにアピールした。コマーシャルに登場した有名人たちは、学生に中東工科大学の魅力を伝えた。しかしコマーシャルについて、「国立大学が宣伝広告するのか」という論争にもなった。高等教育機構(YÖK)が法的調査を始めた。

中東工科大学の、「我々は世界を変えることができる」というスローガンを掲げたコマーシャルには、エルシン・オズィンジェ氏(勧業銀行頭取)からファイク・アチュカルン氏(ヤプクレディ銀行CEO)まで、デルヤ・キョルオール氏(音楽グループ「イェニ・チュルク」設立者・リードボーカル)やメフメト・エルオール氏(作家)のような各方面で成功している中東工科大学の卒業生が登場している。

大学入試センター(ÖSYM)が今年の学部決定試験の上位5千人の学生の情報を隠したことによって、中東工科大がターゲットの高得点の学生たちを取り込むためコマーシャルをつくった。コマーシャルについて、同大学学長顧問ビルゲハン・オゼル博士はVATAN紙のインタビューに答えた。オゼル学長顧問は以下のように述べた:

「中東工科大学は優秀な学生を求めている。学部決定試験の上位100人、1000人に対する試みがこれだ。今年入試センターが、学部決定試験の上位者の情 報を隠したため、我々は優秀な学生にコマーシャルでアピールしようとしたのだ。中東工科大学を優秀な学生に紹介するほどに、我々の教育の質が高くなる。我々がターゲットしている学生は、大学を選択できるレベルに達していて学部決定試験の上位5千人に入っている学生だ。

■『これは革命主義と言われている』

我々の目的は、中東工科大学の名前を広めることだ。大学では教育・学生の水準が上がるほど、プロジェクトへの予算が入り、我々の大学が世界規模で『とても いい』大学の一つになる。中東工科大学は、このコマーシャルで、社会とターゲットとする優秀な高校生との両方にアピールすることを狙った。今のレベルを維持するためには、とても優秀な学生が必要だ。コマーシャルは、国際的チャンネルの中から、NTV、CNNチュルク、CNBC-EやKanal Eで放送される。コマーシャルの長さは全体で49秒、1週間の間で合計3038秒、放送される。このコマーシャルを放送するTV局は、我々に特別料金を提示した。定期的に行ってきた故人や卒業生たちの日の広告より経済的だ」と語った。

カメラの前に次々と現れる工科大出身者たちは、「工科大を思っている」と書かれたTシャツを着て、同大学のマニフェストを一文ずつ口にする。ヤプクレディ銀行 CEOのファイク・アチュカルン氏は「我々を工科大生としたのは、成功と新しい創造をおこなう大学の文化」、インテル・トルコCEOチーデム・エルテム氏は 「工科大生は既存の情報に満足せず、疑問を持ち、探求し、発展させる」、勧業銀行頭取エルシン・オズィンジェ氏は「自国の、そして世界の問題に関心を持ち、解決策を探る」、イェニ・チュルクのリードボーカルであるデルヤ・キョルオール氏は「大学の精神は、時々理想主義、時々革命主義と言われる」と語った。

一方で、ビルギ大学教員デニズ・ウルケ・アルボーアン博士は、ツイッタ―から中東工科大のCMを批判し、次のように述べた。

「利益目的の大学は法的に問題だ。なんでCMが必要かと問いかけられます」と言って、以下のように続けて語った。「TVコマーシャルが164の 国立大学に禁止されているときに、中東工科大学には自由にやらせているのはなぜか?工科大は、CMの代わりに貧しい学生に援助したらいい。」

■高等教育機構(YÖK)の調査が始まった

中東工科大学のTVで放送されたコマーシャルに対して、YÖK会長のユスフ・ジヤ・オズジャン教授の指示で調査が始められた。YÖK 法律コンサルタントは、「国立大学の財源は、国民が支払った税金である。国立大学がコマーシャルをつくれるか?」との問いの答えを探している。同コンサルタントは2547号の法律に従い調査を行ない、今日結果を記者会見で報告する予定だ。中東工科大学学長顧問ビルゲハン・オゼル博士は、この件に関して「禁止事項があるのを知らない。政党がTVで宣伝してもいいならば、大学だっていいじゃないか。追加予算で作成された死亡広告は広告機構に問い合わすことはできるが、この宣伝コマーシャルは、本財源を使って作った。このため法律に違反していない」と説明した。

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( 翻訳者:大久保はるか )
( 記事ID:23477 )