中国、石油代金としてイランに200億ドルの未払い
2011年07月26日付 Jam-e Jam 紙

【経済部:ズィーバー・エスマーイーリー】イラン国営石油公社の公式筋は、中国がイランに対して、石油代金として200億ドル分の債務があるとの報道についてコメントを避けているが、その一方で一部の非公式筋はこの報道を認める発言を行っている。

 ジャーメ・ジャム紙記者の報告によると、昨日英フィナンシャルタイムズ紙はレポートの中で、イラン政府と中国政府は石油代金を貨幣で受け取る代わりに、バーター取引で決済することに関して現在協議しているところだと報じた。同紙によると、中国のイランに対する債務の総額は200億ドルに達するとされる。

 非公式筋がこの報道を認めたことで、イランが中国とインドに対して有している債権の総額は、昨年一年間で250億ドルに達したことになる。にもかかわらず、イランはこれらの債権の受け取り方法について、これといった結論に達っしてはいない。

 英フィナンシャルタイムズの説明によれば、中国政府によるこれだけの額の債務はここ二年間のものであり、現在、双方はこの問題の解決の道を協議しているところだという。

 〔イランの〕中央銀行総裁は先日、インドのイランに対する正式な債務の額について、凡そ50億ドルに達していることを発表した。中国とインドはイランの輸出向け石油の1/3を購入しており、一部報道によると中国のイランからの石油輸入量は、今年(西暦)初めから49%も増加しているという。

 これとの関連で、本紙記者は非公式筋のある人物と接触し、この人物は上述の報道を認めた。本紙記者はさらに、中国とイランの両石油当局者の合意により、中国がイランから石油を受け取る代わりに、イランの油田やガス田の開発計画に参画することになったとの情報を、この人物から入手した。

 このレポートによれば、現在すでに、複数の中国企業が〔イラン側と〕契約を交わし、イランの一部の油田・ガス田の開発計画に参入している。

 二年前、中国国営石油会社はイラン国営石油公社と契約を交わし、17億6千万ドル規模の北部アーザーデガーン油田開発計画を引き受けた。油田開発によって第五次開発計画の終了時までに、日量7万5千バレルの石油を生産する予定だ。

 北部アーザーデガーンはイランだけでなく、世界でも有数の巨大油田の一つで、55億バレル以上の原油が埋蔵されており、25年間で3億3千万バレルの石油が生産可能である。

 以前は、日本企業のINPEXが契約によりこの油田の開発を請負う予定であったが、数年後に契約の実施を断念、イランはこの企業を〔開発から〕排除することになった。

 イランの石油プロジェクトへの参加は、中国企業にとってきわめて魅力的である。それは今年のオルディーベヘシュト月〔西暦4〜5月〕に開催された、石油・ガス・石油化学の国際見本市に170社もの中国企業が参加したことからも窺える。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:多田直輝 )
( 記事ID:23517 )