エルドアン首相一家、ソマリア訪問へ
2011年08月11日付 Yeni Safak 紙

エルドアン首相は、何十万もの人々が飢餓や水不足に苦しむソマリアへ行くと明かした。首相は「私と外務大臣は家族とともにソマリアへ行く。そこでの状況を、我々も視察する機会を得るであろう」と述べ、世界の無関心をもいかなる場においても問うと話した。

エルドアン首相は、飢餓と災害に苦しむソマリアへ訪れると明かした。エルドアン首相は、世界の無関心をいかなる場においても問うと述べ、「私と外務大臣は家族全体でソマリアへ行く。そこでの状況に際して、我々も視察する機会を得るであろう」と述べた。
公正発展党拡大県知事集会で演説したエルドアン首相は、ソマリアを筆頭にアフリカの重要地域で食糧不足と飢餓が起こっており、何十万もの人々が飢えと水不足による死に苦しんでいることについて言及した。「世界はどこに?先進国はどこに?彼らは手をさしのべているだろうか?」という問いを投げかけたエルドアン首相は、「いや、彼らは未だこの状況を継続することによって、手にしている可能性が自分たちにもたらす大きな利益を計算している。人類がすべての注意を向け、解決策を見つけることが必要とされる根本問題はこれである」と言葉を続けた。

■いかなる場においても問う

エルドアン首相はアフリカの飢餓が人類の問題、世界の問題であり、解決もこの規模で模索する必要があると強調し、次のようなメッセージを伝えた。「何世紀もの間アフリカの資源を略奪してきた者たちは今、道義心を失ったかのように悲劇や災難を傍観している。国際社会が毎日死に向かっていくこの罪のない子どもたちを助けるために力を合わせないならば、いつそれをやるというのか?この血を流す傷への世界の無関心は、我々にとって絶対に認められるものでない。我々はこれをいかなる場でも問うていく。」

■傍観者ではいられない

「トルコはこの聖なる月に、この(ソマリアでの)現状に直面し、席につくイフタールの食事ごとに、その苦しみを心で感じとり、思いを巡らせている。我々は国としても政府としてもこの辛い人類の光景を傍観してはいられない。この問題に関して我々はすべての公共機関や市民社会組織とともに支援キャンペーンを始めている。宗務庁、トルコ協力開発機構(TİKA)、赤新月社および市民社会組織らが一緒に、ベキル・ボズダー副首相を議長として(この支援運動を)運営している。トルコ協力開発機構会長はいま現地にいる。私と外務大臣も家族とともにソマリアへ行く。現地の状況に際して我々も視察する機会を得るであろう。」

■神の祝福がありますように

「トルコから送られた支援物資を運ぶ貨物飛行機がソマリアに着陸した時、ソマリア人はひれ伏して「トルコが来た」と言ったという。アフリカへの支援が決意をもって継続される必要がある。我々は(支援の手を差し伸べる者が)誰もいないようなアフリカで支援を行う。誰かが来るか来ないかなどと考えていはいられない。持っている可能性をこの同胞たちと分かちあい続ける。愛国心のある国民はこの活動に参加している。人道的責務を果たしている。これはただ単にラマザン月に解決される問題でない。これをラマザン月のあとも継続する必要がある。アフリカでイフタールやサフルの食事を迎えるトルコ国民に神の祝福がありますように。この自己犠牲や支援は、苦しんでいる同胞を救済し、この模範的な支援が、世界をも動かすだろう。」

■国連総会で説明する

「いまや、一つの国家が、その国が存在する地域の問題と無関係でいることはできない。このことから政治面で逃れられたとしても、良心の面では逃れられない。このために我々はみな、トルコの全問題にも多方面に、多次元にかかわり、また近隣諸国で、地域で、世界で何が起こっているかにも注意を払っている。我々は、トルコのためにより必要となる敏感さ…トルコは、つまり次のようなことを知る必要がある。トルコはいまやその発言が注目され、問題を支援し、平和と健康を保障するという使命を背負った世界的な国、指導国である。9月の国連総会でこの問題を最大限広い意味で取り上げることによって語るつもりである。」

■お祝いに花火なし

エルドアン首相は、2011年8月14日日曜日が自分にとって非常に重要であるとし、公正発展党の創立10周年を81の県で祝うと述べた。「副党首や閣僚らがすべての県に責任をもって赴き、そしてそこで我が党の10年間を語ることにより、イフタールの食事に参加する人々へ、そこにいる民衆へ話しかける機会を得ると望んでいる」と話した。お祝いでは「絶対に花火などの使用はしない」というエルドアン首相は、10周年の祝いは控えめに、ただイフタールの食事に集まり、文化イベントが行われるだけだと述べた。

■ラマザン中でも止まらない

エルドアン首相は、特にラマザン月にトルコのすぐ隣で起こっている苦しみが人々の心を痛めていると強調し、「我々は、イスラーム以前の無明時代でさえ3カ月間を自分たちのために、抗争や戦争における禁忌の月として設けた理解があり、この理解がずっと続いてきたような文明に属しています。いま、考えられますか?すぐ隣で、この聖なるラマザン月に、目にしているのです、同胞が同胞を打ち、政府が自国民へ、自国の人々へ、戦車や大砲や武器を向けて人々を殺害しています」と述べた。エルドアン首相は、PKKによって最近行われた攻撃にも注意を引き、次のように論じた。「向こうでこれが起こっていて、こちらでは起こっていないか?こちらでは真逆のことが起こっている。分離派テロ組織は一方このような月でさえも止まらず、通りを歩く治安要員に向かい襲ってきます。他の要員がきて同じように殴ります。さらに他の者が来て同じように殴ります。そしてこれらすべてを合わせて、恥ずことなく、飽きることなく未だにこれらを政治的側面においても「自由」と言う。この自由はどこに?この平和的理解はどこに?」

■首相が訪問、いまだに驚いている

一昨日イフタールの時刻にサンジャクテペの自宅でレジェプ・タイイプ・エルドアン首相をもてなしたアイシェ・ポラットさんは、首相を目の前にしてとても驚いたこと、食卓にあった料理で断食あけの食事をしたことを語った。訪問の詳細を説明した48歳のアイシェ・ポラットさんは、5か月前に夫を胃がんで失くしたという。ポラットさんは、16歳の娘シェイマさんとイフタールの食事についたとき呼び鈴が鳴り、目の前にエルドアン首相を見て非常に驚いたと述べ、「驚きました。本当に驚きました。一緒に席に着き、食べました。まずいとか脂っぽいとは言いませんでした。何に触れたかわかりません。本当に、驚きをぬぐえませんでした」とその時の感情を述べた。ポラットさんはエルドアン首相に「私をこのゲジェコンドゥから助けてください」といい、首相が「近くそうなるだろう」と答えたと伝えた。

イフタールの後にエルドアン首相の訪問を受けた41歳のサリフ・ヤザンさんも、経験している生活の悩みや、家についての不当な扱い、子どもたちの学校の状況を首相に伝え、首相もそれに関わる話題について担当者に注意を促し、彼ら自身を支援することを述べた。エルドアン首相が地区の住民と会話している時に自宅へ招いた主婦のムアッゼズ・アクバルさんは次のように述べた。「感謝しています。(首相は)私を傷つけませんでした。私のいれたコーヒーを飲みました。お祈りをしました。我々は座って、話をしました。私の子供に仕事について話してくれるよう望みました。それも断りませんでした。約束をしてくれました。大変満足です。息子が職に就こうとつくまいと、神の祝福がありますように。」

■絶望的な無知

ダヴトオール外相がアメリカの要望に基づいてシリアを訪問したと主張するクルチダルオールCHP党首に対し、エルドアン首相より厳しい反発があった:「大変軽率であるか、さもなければ絶望的なほど無知であることを明らかにしているようなものではないか?」

エルドアン首相は、ダヴトオール外相のシリアとの接触を「アメリカのメッセージを運んだ」と論評したクルチダルオ-ル氏を、厳しい言葉で批判した。「我々は自分自身に望むものを近隣のためにも望む」というエルドアン首相は以下のように述べた。「我々が近隣諸国と特に敵対のゼロ化プロセスを話し合う際、野党はもう「(そんなものは)全く残っていない」かのようにしゃべっている。まるでホロン(黒海地方の民族舞踊)を踊っているようにただ騒々しいのだ。我々は平和を望んでいる、より一層の自由を望んでいる。我々は一層の正義を表明している。我々は同胞の血が流れませんように、涙が止まるようにと望んでいる。国の経験、民主主義の経験を友人や同胞とオープンに分かち合うことを基本にしている。」

■ロマンティズムと伝えている

「近隣諸国で起きた事件を「我々内部の問題」とみなしていると述べることで不快になる人々もいるかもしれない、「内部問題と考えている」というとき、我々は、友愛や、我々の間で育んできた家族法によって、我々の間には親密な結びつきがあることを理解したうえで述べているのです。我々の間に910キロメートルの隔たりがあるためにこれを言っているのです。ヴィザ廃止の判断が妥当であるとみなされうるほど強い友愛の結びつきをもった国として言っているのです。しかしながら、彼らはトルコの名誉を傷つけるリスクを冒して、「シリアは我々に関係ない」と言っている。それは誰か?トルコ内部の政治家だ。人間が良心で行う警告を「ロマンティズム」として伝えている。このような思慮の足りない言葉を外相が、ダマスカスでシリアのアサド大統領と会った際に言っている。残念だ。」

■文句を言って貶めた

「同胞のシリア」へ外相が持って行ったメッセージは、我々のこのメッセージである。外相は周辺地域についての見通しを明確に隣国の大統領に伝えたのに、それに対して外相が「トルコのメッセージではなくて他のある国のメッセージをもっていった」のだと主張することは、思慮を欠いた行為というのでなければ、絶望的なほど無知であることを明らかにしているようなものではないか?一国の政権を、イスラエルや社会主義インターナショナルに文句を言うようなかたちで貶めたのだ。AKP政権がそのようなことをすると彼らは考えているのだ。しかしAKP政権はそのようなことはしないし、AKP政権は国民の意志であり言葉である。我々はその言葉を訪れるすべて場所に運んできたし、運んでいるし、またこれからも運んでいくだろう。」

■戦車がハマから出る必要がある。

ダヴトオール外相が伝えたメッセージは明確なものであったと述べるエルドアン首相は、流血がとめられること、民間人やデモ隊に対するいかなる武装攻撃や武力の使用を一刻も早く終わらせることを望んだと述べた。今日のニュースでトルコ大使がハマへ行ったとするエルドアン首相は、次のように続けた。「ハマから戦車が撤退し始めたと言っていた。これも我々のアプローチが良い成果を生み出すという点から重要だ。10~15日のうちにこれらが完了し、シリアで改革のプロセスにむけた一歩が踏み出されることを望んでいる。実行が望まれているのはこれだ。」

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( 翻訳者:吉岡春奈 )
( 記事ID:23614 )