サーレヒー外相とサイードルー副大統領の間で二元外交の懸念が浮上
2011年08月17日付 Jam-e Jam 紙

 アフマディーネジャード大統領は、サーレヒー外相とサイードルー国際問題担当副大統領のそれぞれに対し、ある業務を担うよう命ずる辞令を、別個かつ同時に発した。大統領は先週、アリー・サイードルー氏を国際問題担当の副大統領に任命したばかりであったが、今回の新たな辞令によって、同氏の任務が明らかとなった。我が国の外交政策が二元化するのではないかとの懸念が強まっている。

 本紙の取材によると、昨日、大統領の署名入りの辞令が2つ出された。一つは、前体育庁長官で、先週「国際問題担当副大統領」に任命されたアリー・サイードルー氏に対するもので、もう一つはアリー・アクバル・サーレヒー外相に対するものであった。〔‥‥〕これにより、サイードルー副大統領は「非同盟諸国会議開催本部長」に、サーレヒー氏は「非同盟諸国会議政策評議会議長」に、それぞれ任命された。

 政府の広報サイトが伝えたところによると、サーレヒー氏への辞令には次のようにあるという。「イラン・イスラーム共和国をホスト国として、西暦2012年に開かれる第16回非同盟諸国会議に関連した作業を集中的にこなす必要性から、貴殿を『非同盟諸国会議政策評議会議長』に任命する〔‥‥〕」。

 また、サイードルー氏への辞令には、次のようにあるという。「国際問題担当副大統領殿。イラン・イスラーム共和国をホスト国として、西暦2012年に開かれる第16回非同盟諸国会議に関連した作業を集中的にこなす必要性から、憲法第127条にもとづく権限委譲により、貴殿を『大統領特別代理、兼非同盟諸国会議開催本部長』に任命する〔‥‥〕」。

 イランはイラン暦91年(西暦2012年)に開かれる予定の「第16回非同盟諸国首脳会議」のホスト国・議長国を務めることになっている。

 今回の辞令から分かるのは、サーレヒー氏に儀典的な役割が、サイードルー氏に大統領特別代理としての実行役的な役割が与えられるといった、役割分担があるとはいえ、表面上、サイードルー/サーレヒー両氏に対して同じような幅の責任が与えられたということである。

 サイードルー氏はこれまで、大統領のお供としてほんの数回、海外に渡航したことがあるが、〔アフマディーネジャード政権に〕批判的な人々は、こうした人事にとってこれ〔=サイードルーの経歴〕は十分ではないとの見方を示している。

 国会関係者を中心とした批判者たちはまた、ハーメネイー最高指導者が昨年のシャフリーヴァル月8日〔2010年8月30日〕に閣僚らとの面談の中で行った発言について指摘した上で、さまざまな分野、特に外交政策において権限が二元化するのは避けるべきだと警告してきた。〔‥‥〕

 昨年の夏、マシャーイー氏やバガーイー氏など4名が、世界の各地域・大陸を担当とする「大統領特別代理」に任命されたことに対し、「二元外交」の疑惑が浮上、〔アフマディーネジャード大統領の人事に〕批判が殺到したことがあった。この時、最終的にはハーメネイー最高指導者の発言・注意によって、アフマディーネジャード大統領は「特別代理」を「顧問」に格下げした経緯がある。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:23681 )