密輸品で活況を呈する国境の町:国境貿易の問題点を考える
2011年08月17日付 Jam-e Jam 紙
国境市場で売られている商品はいずれも、非公式のルートから国内に流入し、正規の市場価格よりも低い価格で売られている。
アラブ首長国連邦やイラクのクルディスターン方面からイラン・イスラーム共和国に大量に流入する家庭用品の密輸が、我が国の経済を苦しめている。密輸団は中国やその他東南アジア諸国で作られた家庭用品を大量に、かつ低品質・無保証でドバイやラアス・アル=ハイマの港からイラク南部の港、特にバスラなどに輸送し、そこからトラックでイラクのクルディスターンへと運んでいる。
これらの密輸品は、マリーヴァーンやバーネをはじめとするイラン西部の国境地域を通じてクルディスターン国境の市場に流入し、そこから簡単にテヘランなどの国内の諸都市に持ち込まれている。実際、バーネ県にある市場は低品質・無保証の商品の取引の中心地となっているのだ。
その一方で、こういった低品質の商品はどれも、信頼できる外国の代理店から正規ルートで輸入された類似品よりもかなりの低価格で売られており、それによって、政府に税金を支払うことで国庫を潤している商品は深刻な不況に陥っている。
正規ルートの輸入AV機器を取り扱っている業者の一人は、「こういった低品質の輸入商品は、我が国の国民経済に打撃を与えており、国境の向こう側にいる外国の利益追求主義者たちのポケットを満たすほかは、我が国の経済に何の益ももたらしてはいない」と述べている。
経済の専門家たちは、国境市場という存在が〔国民経済等に〕もたらす最も重要な利点として、国境地域の交流や貿易の活発化、〔‥‥〕輸出の拡大、社会・文化・経済関係や金銭上の交流、さらには観光分野での関係強化、そして互いの技術的ノウハウの活用などを指摘する。
しかし同時に、国境市場がもたらす副作用としては、〔ヒトやモノの〕非合法な往来、商品の密輸、国内生産に対する打撃、そして他の貿易業者に降りかかるさまざまな問題の発生などが指摘されている。
専門家らはその上で、「消費者は商品・サービスが低価格で、関税もかからないことから、こういった市場に強く依存してしまっている。こうした国境市場がもたらす負の影響、つまり経済の不安定化を防ぐには、それを公認して、貿易の自由地区に転換するしかない」との見方を示している。
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( 翻訳者:松村すみれ )
( 記事ID:23682 )