イラン、「有害」トルコ製TVドラマの衛星視聴に妨害対策
2011年08月22日付 Radikal 紙

イランは、1994年以降禁止している衛星(放送受信用)アンテナの大規模な取り締まりを始めた。

 トルコのTVドラマを筆頭として、イラン文化に害を与えると主張されている外国番組の視聴を妨げるため、特別な訓練を受けた警察官が屋根からぶら下げられたロープを用いてパラボラアンテナを屋根から撤去している。

 イラン当局は、ヨーロッパ風のヘアスタイル、ペット(愛玩動物)の世話、女性のマニキュアと化粧、放送されている「世界の料理」などのテレビ番組はイラン文化に有害であるとし、これらの番組の視聴を禁止、パラボラアンテナに目を付けた。ワタン紙の報道によれば、イラン人は1994年に承認された決議で輸入、保管、生産、販売、組立てが禁止された衛星放送受信機を使い続けており、トルコ(の放送)を筆頭に多くの外国のチャンネルが、毎日多数の人々に視聴されている。衛星を介して放送されているトルコのTVドラマでは、「外国人の婿」、「禁じられた愛」、「銀」が上位に位置した。イランで2008年に衛星放送で放映が始まったトルコのテレビドラマは、多くのファンの心をつかんでいた。

■戦いは2008年に始まった

 約3年前、イランの政府高官が「銀」を始めとする多くの番組はイランの秩序を破壊すると発言し、トルコのTVドラマとの戦争を始めた。トルコのTVドラマの目的はアラブ世界における地位の強化だとするイランの政府高官は、(トルコ製)TVドラマの音声吹き替えがアラブ世界で称賛されているレバノンのアクセントであることを指摘した。同時期、サウジアラビアとトルコとの間で発展する、観光開発と経済関係を批判したイランの「テヘランニュース」紙は、読者に対しこれらのTVドラマに対する警告を発している。

■ロジテレビ視聴に5,500ドル(約42万2千円)

 イラン人は、その数1,500万台のパラボラアンテナをエアコンの室外機(の中)や室内など様々な方法で隠している。週始めからイラン警察は大規模な取締まりを開始した。宗教警察は、ノールーズテレビとロジテレビの視聴を妨害するために、テヘランを始めとする多くの都市で取締まりを強化した。アンテナはイスラーム法に反するということを根拠に没収された。家でパラボラアンテナが見つかったイラン人には、5,500ドルの罰金が課せられる。警察はアンテナを撤去する人々を「もう一度、自宅でこれらの機材が見つかれば法廷で訴えられますよ」と警告し、数日後にその家々を調査したことが明らかになった。22日までに行われた取り締まりで、警察は30万台近くのパラボラアンテナを外したと推測されるが、公式ソースによれば、国民の60%近くが衛星アンテナを介する日々を続けている(衛星放送を視聴する日々を送っている)。

注)イランは、他国に庇護を求めたイラン人が設立した、政権に反対する放送を行うテレビ局を妨害するため、1994年に(これらのテレビ局の視聴を)禁止した。イランは、少数民族が自身の言語で放送を行うことも禁止している(ワタン紙より)。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:23717 )