『ホスローとシーリーン』出版から900年、文化イスラーム指導省が異議!
2011年08月16日付 Mardomsalari 紙
ペイダーイェシュ出版の文化局長は、執筆から9世紀が経ち、現在、同社から第8版目が出ようとしているロマンス叙事詩『ホスローとシーリーン』が、文化イスラーム指導省書籍課から「言い掛かり」を付けられたことを明らかにした。同氏は、こうした「言い掛かり」は原則に則ったものとは言えないと批判している。
ペイダーイェシュ出版のファリーバー・ナバーティー文化局長は、メフル通信記者とのインタビューのなかで、出版物に対する文化イスラーム指導省の一部「検査」に不満を漏らし、次のように述べた。「一部の問題のせいで、文化的事業への我々のやる気にも悪影響が及んでいます。〔…〕我々が抱えている職業上の問題や、出版物に対するこうした検査は、仕事への士気を失わせる結果となっているのです」。
同氏はさらに、次のように続けた。
ペイダーイェシュ出版では、『ホスローとシーリーン』の版をこれまで7度重ね、第8版では本のサイズを変更することにしました。本の外装を変更したことから、ただそれだけのために文化イスラーム指導省に許可を得に行きました。ところが彼らは、〔検査のために提出した〕本を私たちに返却する際、いくつかの箇所に修正点を指摘してきたのです。
ペイダーイェシュ出版文化局長は、ニザーミー・ギャンジャヴィーの叙事詩に加えられた「修正点」の一例として、次のように説明した。
作品では、次のような詩句が語られています。
甘美な唇の美女は乳を満たした杯をとり、
彼に与えてこう言った。「私と思って、これをお飲み」。
気高い男はシーリーンの手からそれを取り、
砂糖を口にするように喜悦満面、杯を飲み干した。
酌人が心に想う女ならば、
たとえ乳でなく毒であろうと甘美な酒。
この杯を干して陶然となったとき、
酌人はその宴から引きあげようとした。
〔『ホスローとシーリーン』(岡田恵美子訳、平凡社)、p.184.から抜粋〕
彼らは「この杯を干して陶然となったとき」の句を削除するよう言ってきたのです。
ナバーティー氏はさらに、次のように続けた。
同様に、本作品135頁14行にある「抱擁する」も削除するよう、彼らは言ってきました。物語のこの箇所では、夢の中でホスローが殺され、シーリーンがひざまずいて彼の死体を抱きしめる様子が描かれています。また、45頁1行~3行では、「女たちの踊り」という単語を削除するよう、彼らは強く主張してきました。何ともおかしいのは、こんな単語〔=女たちの踊り〕は本文にはないということです。
ナバーティー氏は、文化イスラーム指導省側が指摘するその他の修正点について、「本作品の62頁、81項、及び82頁に、『二人っきりになる』や『抱擁』、『手を握る』といった類の表現についても、彼らは削除を要求してきました」と指摘した。
〔…〕
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( 翻訳者:鳥光真理子 )
( 記事ID:23747 )