パトカーではありません―市販の回転灯をつけた車にご用心―
2011年08月27日付 Radikal 紙


赤青の回転灯をつけて、道を譲るよう要請したり、緊急レーンをフルスピードで走り去る車両が必ずしもパトカーだと考えてはいけない。交通渋滞から逃れるため30~60リラ(約1300~2700円)で販売されている回転灯を取り付けた抜け目のない者がたくさんいるからだ。

あなたが渋滞の中を進んでいたとする。その時、後方から赤青の回転灯をつけた民間ナンバーの車両が接近し、道を譲るよう要求する。あるいは、あなたがぎゅうぎゅうの車列の中をゆっくりとしか進めない中、ライトをつけた高級車が緊急レーンをフルスピードで走り去っていくのだ。

警察関係車両かな、と思った車の運転手は30~60リラで販売されている回転灯を取り付け、渋滞から逃れる道を選んだ人かもしれない。警察にたびたび寄せられる苦情のひとつが、ニセモノの回転灯を取り付けた高級車が緊急レーンを使用しているというものである。
ヒュッリイェト紙の報道によると、イスタンブル警察は月に平均20人のドライバーに道路交通法第26条を適用し66リラ(約3000円)の罰金を課している。ドライバーはその場で回転灯を取り外すか、もしくは車両をレッカー移動される。

■30~60リラで販売

赤青の回転灯は、ドライバーが交通渋滞から逃れる手段のひとつとなってしまっている。この回転灯を取り付けた民間車両は、緊急レーンを使用し、市民らに道を譲るよう要求する。道を譲らないドライバーには口論を吹っ掛けることもあるという。

イスタンブル市内の渋滞地獄を味わいたくないと考える抜け目のないドライバーは、30~60リラの価格帯で販売されている回転灯を購入し、車両のフロント部分に取り付ける。長らく警官と思われていたこれらのドライバーは、市民から道を譲ってもらい、より早く目的地に到着しているのだ。

■回転灯は緊急車両に限定

車両上で光るライトについてある警察高官が事情を話した。「このライトはパトカーや、緊急車両に限り使用可能です。さらにこのライトの使用には、その場の警官が決定を下すのです。必要ない時に交通法規を犯すような許可は与えられません。渋滞個所で万が一緊急車両に危険性があれば使用可能ですが。しかし目的地に到着するために行われているのならばそれは誤りです。」

■更迭が怖い

ある交通警察官の言葉は非常に興味深い。匿名で語ったある交通警察官は、「実際、交通警官はこの問題で更迭されるのを恐れているのです。回転灯をつけた車両に罰則を科す。もし罰則を科した車両が(有力な)実業家のものだったりしたら、後が大変なことになると考えるのです。これを克服しなければなりません」と話している。

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:23777 )