イラク:民間部門の投資を待つ300万世帯の住宅需要
2011年09月02日付 al-Hayat 紙


■イラク:民間部門の投資を待つ300万世帯の住宅需要

2011年09月02日『アル=ハヤート』

【バグダード:ナスィール・アル=ハスーン】

バグダードの建設計画委員会は、イラクにおける住宅需要が300万軒を超えており、この軒数を確保するために必要な費用の見積もり額が3000億ドル以上に上る事を確認した。一方バグダード投資機構は、イラク政府がこのような規模の予算割当を確保する事は不可能であると指摘し、「民間投資だけで予算を確保することが可能」との見解を示した。

同委員会のムハンマド・アッ=ラビーイー委員長は、本紙に対する談話で、「イラクの住宅需要を満たすことは、イラクが抱える問題の中でも最も複雑な部類に属する」として、「30年以上続く赤字の累積が300万軒を超える現在の住宅需要をもたらした。各住宅ユニット建設にかかる平均的費用は10万ドルに上る。これはつまり、この先イラクが3000億ドル以上を費やし、さらにその完成には20年以上かかる事を意味している」と指摘した。

また同委員長は、「計画省の予想によれば、各物件の建設費用は、建物の種類や面積、その他諸要素によって異なる」と説明し、「1軒の住宅ユニットの建設費用が25万ドル以上かかる観光用複合施設が存在する一方、一軒あたりの費用が1億ディーナール(8万ドル)以下の中級住宅物件も存在する」と指摘した。

同委員長は続けて、「イラクの法律によって、アラブ諸国や諸外国の投資家が無償で集合住宅建設に割り当てられた土地を所有することが認められれば、おそらくこれらの物件は土地に出資する予定であるイラク政府の公務員に分配されるだろう。」と述べた。また、住宅物件をイラク人の一部に無償提供する可能性について、「殉教者(テロ被害者)遺族法は、住宅用の土地のみを供与する予定であるが、現在我々はこの供与を土地の代わりに住宅物件に変更する方向で尽力している。バグダードではテロ被害により死亡した殉教者の家族として約7000世帯が登録されており、さらに未登録世帯も4000世帯に上る」と語った。

またバグダード投資機構のシャーキル・アッ=ザーミリー所長は本紙に対し、「住宅需要は300万軒を超えている。なぜならば、建設企業が建設に必要とする時間、すなわちこの供給不足を解消するために必要な時間として20年が見込まれる上に、この先30年間で人口が倍増すると見られるためだ。」と明らかにした。また「国家予算は、金額がいくらに達しようとも、住宅建設に必要な金額を確保することは不可能だ。この事から、住宅建設の90%を民間投資部門に依存するのはごく自然な事と言えるだろう」と強調した。さらに、「イラクは投資家に対し、利用者に販売・賃貸する際、土地の価格を計算に入れないという条件の下で、すなわち建物の価値のみを計算に入れることを条件に、土地を無償提供する法律を適用するだろう」と述べた。

またイラク投資機構は、韓国のハンファ建設と共同でのバスマーヤ地区(バグダード南東)における10万軒の住宅建設プロジェクトの基礎計画が完了したことを発表した。同プロジェクトは、8000ドゥナム(約20平方キロメートル)の敷地面積に、50万~60万人の国民を収容するとされている。

(後略)

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( 翻訳者:川上誠一 )
( 記事ID:23818 )