国家儀典に文民化の風が吹いている。かつてアタテュルク時代に定められていた「長の原則」に立ち戻って制定された新リストでは、宗務庁長官が上位10位以内に入る。
文民化の風は、公式名が「首都儀典順位リスト」である国家儀典にも及んだ。1980年クーデタの産物である現行の国家儀典リストが全面的に見直され、最大野党党首と裁判所長官が参謀総長より上位を占めることになる。新しい「順位リスト」の最も驚くべき点は、51番目であった宗務庁長官が軍司令官をおさえて上位10 位以内に入ることである。EU規定を基に外務大臣、宗務庁長官の順位を上げるにあたっては、アメリカやイギリスにおいて宗教指導者がそれぞれの国の国家儀典で占める位置と、アタテュルクの「長の原則」が考慮された。
■最初の「祝祭日」に間に合う可能性
外務省は、2009年以来EU諸国で用いられている国家儀典と、1980年9月11日までに用いられていた順位リストを考慮して準備した「首都儀典順位リスト 草案」を(承認手続きのため)大統領府に送った。新リストについては、10月29日共和国記念日の式典前の完成とギュル大統領の承認が目標となっている。
新国家儀典の規定では、参謀総長が第3位から順位を下げ、最大野党党首と裁判所長官たちの後になり、軍司令官、大将、中将はリストの上位から外れる。新設され た副大臣がリストに入り、政務次官が上位に入る。もし承認手続きが間に合えば、今度の共和国記念日式典で、共和人民党のケマル・クルチダルオール党首と憲法裁判所のハシム・クルチ長官は、トルコ大国民議会ジャミル・チチェキ議長とレジェプ・タイイプ・エルドアン首相のすぐ後の席となる。参謀総長のネジデト・オゼル大将は上位10番以内ではあるものの、下位に下がる。新リストを準備しているある高官は、「最大野党党首が今日までこの規定(の変更)を要求せず、参謀総長の後ろで座ることに異議を唱えなかったのは不可思議である」との見解を示した。
■ 宗務の長、左の最初に
現行のリストは、1980年9月12日の軍によるクーデタ後に作成され、軍人がリストの上位に入り始めた。新しい取り組みでは、軍のクーデタ以前に用いら れていた国家儀典の規定と、ヨーロッパ諸国の国家儀典リスト、そしてアタテュルク時代に用いられていた国家儀典の規定が考慮された。
アタテュルクは、国家儀典の規定を、「長の原則」に基づいき定めた。トルコ大国民議会の長、政府の長、軍の長、司法の長、宗務の長は、アタテュルクのすぐ左に位置していた。しかし宗務庁長官の国家儀典における順位は年々下がり続け、1980年クーデタ後は51番目になった。
リストが計画通りに承認されれば、新しい「順位」リストで宗務庁長官が軍司令官の上位に入り、上位10位以内に含まれることが予想される。
■ 現行の国家儀典
現行の国家儀典リストでは参謀総長がリストの3番目に位置している。
1. トルコ大国民議会議長
2. 首相
3. 参謀総長
4. 最大野党党首
5. 元大統領
6. 憲法裁判所長官
7. 最高裁判所長官
8. 行政裁判所長官
9. 閣議メンバー
10. 軍司令官(陸・海・空・ジャンダルマ)
11. 大将・中将
12. 高等教育機構機構長
13. トルコ大国民議会副議長
14. トルコ大国民議会内に会派を持つ各政党の党首
45. トルコ科学アカデミー所長
46. 中央銀行総裁
47. 公正取引委員会委員長
48. 首相府民営化局局長
49. 資本市場委員会委員長
50. トルコ大国民議会事務局長
51. 宗務庁長官
81. 文民・軍民協会会長
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( 翻訳者:菱山湧人 )
( 記事ID:23841 )