ハッキャーリ県シェムディンリ郡でテロ組織PKK（クルディスタン労働者党、非合法組織）の、警察官と憲兵隊に対する同時攻撃により、兵士１人、警察官１人が殉職、（民間人）３人が死亡、軍警官６人と民間人６人が負傷した。県知事府による発表では、PKKのメンバー２人が死んだことも明らかとなった。テロリストは結婚式に密かに侵入し、そこから警察と（軍警察）司令本部に銃撃したことが分かった。同郡では当時絨毯広場で結婚式が行われていたが、新婦、新郎、約200人の招待客が、武力衝突が始まるとともに大きな恐怖とパニックを経験した。

11日の夜、PKKは大規模なグループでシェムディンリ郡を重火器で襲った。PKKテロリストは、郡警察本部、軍警察郡司令部と、そのすぐ近くでは結婚式がおこなわれていた山岳特殊部隊大隊と兵舎に向け、22時10分ごろ、ライフルとロケット砲を同時に発射し襲撃した。
治安部隊が即座に反撃して始まった武力衝突で、郡の中心部は戦場と化した。テロリストは郡警察本部とそこから100メートル程のところにある軍警察郡司令部にロケット砲で攻撃し、治安部隊との間の武力衝突が激化する中、シェムディンリ郡庁の庭にある屋内式絨毯広場で行われていた結婚式で音楽を伴い楽しんでいた人々は、一瞬のうちに命の危険にさらされた。　　

■テロリストは結婚式に侵入した

PKKテロリストらは、郡庁舎の庭で行われていた郡在住の小売商の結婚式に招待客に紛れて侵入した。式場から治安部隊に向けて発砲すると、招待客は即座にその場を離れた。
PKKテロリストが攻撃した場所には、郡入口にある警察の検問所に隣接する、その時オズレム、ジヤ・カプラン夫妻の結婚式が行われていた屋内式絨毯広場も含まれており、そこにいた人たちも一瞬で銃撃戦に巻き込まれた。赴任を控えた体育教師の新郎ジヤさんと看護師の新婦オズレムさんのカプラン夫妻と200人の招待客は、一瞬で命の危機にさらされた。誰もが逃げ出す中、人々は新婦をより安全な場所へ連れていこうと努め、多くの招待客は子どもたちを胸に抱えて（会場の）片隅に避難させ、大勢が銃弾に当たらないよう地面にうつ伏せになった。銃声はなかなか鳴り止まず、会場にいた人々は長時間待機しなければならなかった。

■2人殉職、5人死亡

シェムディンリ郡を戦場に変えたこの衝突の後、当該地域は封鎖された。ハッキャーリ市と近くの部隊にあったコブラ型ヘリコプターは、テロリストの逃走ルートになりえる地点に攻撃を加え、地上からも特別行動チームと特殊部隊員が軍事作戦を開始した。
　武力衝突でPKKテロリスト2名の遺体が収容されたが、PKKメンバーは逃走する際、遺体に爆発物を仕掛けていたことが分かった。このテロリストの遺体に仕掛けられた爆弾は爆発しないよう処置された。
また、テロリストとの武力衝突で警察官のムスタファ・エユプ・ダレンデリオールさんと軍警察の兵卒セルカン・ドゥマンさんが殉職した。銃撃戦に巻き込まれた郡在住の民間人のうち、ネジデト・ギュレリさん、タイヤル・ギュレリさん、オスマン・エルバシュさんが死亡した。14歳のオスマン・エルバシュさんは結婚式場で、ネジデトさんとタイヤル・ギュレリさんは式場からの帰宅途中に、銃弾にあたり死亡したという。ネジデトさんとタイヤル・ギュレリさんはいとこ同士であることがわかった。
この襲撃で兵士6人と民間人6人が負傷した。負傷した兵士はシェムディンリ国立病院で応急処置を受けた後、ハッキャーリ軍病院へ搬送された。民間人6人のうち5人はシェムディンリ国立病院で、１人がユクセコヴァ国立病院で治療を受けている。

■ハッキャーリ県の声明

ハッキャーリ県は11日夜、PKKテロリストが重火器で襲撃を行い、治安部隊員2人が殉職、民間人3人が死亡、負傷者12人であったと声明を出した。
県の声明は以下の通りである。
「シェムディンリ郡で2011年9月11日の22時ごろ、PKKテロ組織の大勢のグループにより、軍警察本部、軍警察郡司令部、山岳特殊部隊大隊と兵舎が同時にロケット弾と重火器で攻撃された。
この攻撃により武力衝突が始まり、シェムディンリ郡庁舎の庭で行われていた結婚式に集まった人たちの間から、そして郡内の様々な場所で、警察官1人、兵卒1人殉職し、銃撃戦に巻き込まれた民間人3人が命を落とした。PKKメンバー2人の武器と弾薬が遺体とともに回収された。衝突の間、軍警察郡司令部で勤務中の兵士6人と民間人6人が様々な場所で負傷した。
死亡して回収されたPKKメンバーの遺体に仕掛けられていた爆弾は爆発しないよう処置された」。

■シャッターが下ろされた

武力衝突から一夜明けた12日朝、シェムディンリ郡の中心部を、沈黙が覆った。シャッターが下ろされたままのシェムディンリ郡は出入口で検問がおこなわれた。シェムディンリ国立病院の遺体安置所に置かれていた遺体は検死が行われた後、遺族に引き渡されたという。

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（ 翻訳者:岸田圭司 ）
（ 記事ID:23942 )