国民教育省(MEB)教育委員会は、初等教育第4~8学年の外国語の授業に、今年度から選択可能な言語としてアラビア語の教育プログラムを用意した。
メルダン・トゥファン教育委員長はアナトリア通信に対し、閣議決定によりトルコで教育される外国語が定められたと述べた。トゥファン教育委員長によると、 現在トルコ国内の学校では、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、中国語が教えられているが、そこにアラビア語が加わることに なる。
トゥファン教育委員長は、この決定は昨年閣議決定されたものであるとし、「昨年度はこの決定が下されたときには既に学期が始まっていたため、学校で(アラ ビア語の)教育はできなかった。そこで我々はアラビア語の授業の研究会を立ち上げ、授業プログラムの作成を始めた」と述べた。
トゥファン教育委員長は、プ ログラムの準備には時間がかかったと話し、初等教育第4~8学年のためのアラビア語の授業プログラムはすでに完成し配布されていることを明らかにした。ま た、「今年度初等教育でアラビア語の授業を選択する生徒がいたら、このプログラムに基づき言語の授業としてアラビア語を学ぶことができる」と述べた。トゥファン教育委員長は、この学年を対象にしたアラビア語の教科書の作成を始めたとし、「6月の終わりまでに完成させる。来年度には教科書もあるだろう」と述 べた。
トゥファン教育委員長は、必修の外国語授業としても選択型の外国語授業としてもアラビア語の授業を行うことができると述べ、今年度生徒はこの授業を選択す ることができること、授業プログラムがあるので教科書がなくてもこの授業を受けることができることを明らかにした。また、教員は指定された資料を利用してこの授業を行うことができるとし、この授業の核はプログラムであると語った。トゥファン教育委員長によると、外国語の授業は初等教育第4・5学年で3時 間、第6・7・8学年では4時間あり、これは必修科目である。
■中等教育でもアラビア語教育
トゥファン教育委員長は、この(アラビア語の)授業は将来的に初等教育だけでなく、中等教育の第9~12学年でも行われるであろうと述べ、中等教育用のプログラムについては未だ研究段階であると述べた。同氏は次のように語った。
「今年度、高校でも学生が希望すればこの授業を受けることができる。プログラムを自分たちで定めて教えることもできる。というのもイマーム・ハティプ高校では以前から専門科目としてアラビア語の授業がある。この授業を行う教員もいる。英語、ドイツ語の教員と同じように、アラビア語の教員を育成する学科もある。この新しいプログラムに基づけば、日常生活程度のアラビア語を教えられる。教員はこの二つどちらも教えることができる。」
■需給のバランスが大切
トゥファン教育委員長はアラビア語教育がなぜ承認されたかという点に触れ、26ヵ国で3億5千人がアラビア語を話しており、国際連合の報告によるとアラビア語は世界で最も話者の多い6言語に含まれる、というデータを挙げた。トゥファン教育委員長は、「我々の近隣諸国の約半数でアラビア語が話されている。そ れらの国々とは貿易や観光の交流がある。ここで需要と供給のバランスを考えなければならない。だからアラビア語が選ばれた。初めは理解を得られなかったと思うが、必要とされる場では学生はアラビア語を選択しうる」と話した。
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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:24157 )