シリア:シリアは石油をマレーシア、インドネシア、イランに輸出
2011年10月19日付 al-Hayat 紙

■シリアはマレーシア、インドネシア、イランに石油を輸出

2011年10月19日 『アル=ハヤート』

【ダマスカス:ヌールッディーン・アル=アアサル】

 シリアのサフヤーン・アル=アラーウ石油相は、石油省はマレーシア、インドネシア、イランとこれら諸国向けの石油輸出契約の締結を検討している一方、ロシア、中国、インドとも同様の契約に至るべく交渉していることを明らかにした。同石油相は、政府は最近、米国とヨーロッパによる石油分野に対する制裁にもかかわらず、石油製品の国内需要分を確保することができたと強調した。石油製品は、諸友好国の複数の企業との契約締結を通じて確保された。

 ちなみに、米国とEUはシリアの石油の最大の輸入国であるが、原油輸入の禁止、シリアの石油部門に対する将来の投資禁止という対シリア制裁を科した。従来、シリアは原油の95%をヨーロッパに輸出していた。その内訳はドイツとイタリアにそれぞれ31%、フランスに11%、オランダに9%であった。

 アル=アラーウ石油相は、一昨日(17日)人民議会前にて「代替市場探しには一定の期間が必要である。すなわち、我々はこれまでヨーロッパに依存してきたのである。」と述べた。同石油相は、シリアの石油部門に対するヨーロッパの制裁は、去る9月に制裁が発表されて以来適用されており、来る11月半ばから制裁が適用されるとの噂は正しくないと強調した。制裁により禁止されるのは、タンカーに積まれた石油の購入、石油輸送、保険、再保険が含まれていた。

 シリアの石油生産量は、日量38万6000バレルに達する。「シリア石油」社が凡そ20万バレルを生産し、残りを外国企業とシリアとの合弁企業が生産している。一方、シリア国内での石油消費量は、日量12万~15万バレルである。

 石油の専門家は、シリアがこの制裁に対応する選択肢として、ロシアや中国のような友好国と長期契約を締結することがあることを明らかにした。この専門家は、このような選択は石油部門に多大な損失を与えると強調した。すなわち、直接契約を通じて日欧米企業への原油販売が続くことは、例えるなら国際価格が107ドルのところを100ドルで販売することにつながるのである。この専門家は、「ロシアや中国との長期契約は、(シリア政府による)石油製品への補助金負担を増すか、政府が石油製品価格引き上げに追いやられるかするだろう。」と述べた。

 石油公社の資料は、シリアが2011年上半期に7000万バレル以上の石油を生産したと強調している。なお、2010年のシリアの石油生産量は、1億4100万バレルである。

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( 翻訳者:高岡豊 )
( 記事ID:24278 )