北イラクでPKKを標的とした陸上での砲撃が行われている。空からはというと、飛行機で確認された標的に爆撃をしている。これにより村々に逃げ隠れているPKKは、高地に撤退した。
ハッキャーリのチュクルジャ郡で24人の兵士が殉職した襲撃に対して始められた、懸命の追跡が続いている。トルコ軍が22部隊で北イラクの領土に入ったという情報は、ペシュメルガ(クルド人ゲリラ組織)によって再度はっきりと否定された。トルコ軍の特殊部隊は、シェムデンリ地域の対岸にあるハクルク地域でのみ国境沿いの陸上軍事作戦を行った。しかしこれらの部隊は、現在まで大きな衝突を起こしてはいないとのことである。国境付近の部隊は、チュクルジャとその周辺に密集しているとみられている。国境に向けての兵士の移送は現在も続いている。
■大規模な攻撃
昨日(22日)北イラクのPKKが潜伏している地域に向けて、陸から榴弾砲、迫撃砲と戦車による砲撃が、その地域での映像が入手され、以前から明らかになっていた標的に向けて行われた。砲撃はイランの国境付近にあるハクルク地域に向かってより集中的に行われ、トルコ、イラン、イラクの国境線に位置するザロス山脈とアヴァシン‐バスヤン、ゴヴェンド山、カルタル山峡、ヘサバ村、ノテ谷、マラ谷で(居場所が)確認され、無人偵察機からの映像にある場所に向けて、朝から攻撃が行われた。ザップ地域のベデ、ペトルト村とエルトゥシュとキンヤニシュ谷は、昨日の朝から砲撃が行われた。また集中的な砲撃によりこの地域で火災が発生したことが伝えられた。(PKKの)キャンプに向けた空からの軍事作戦のために戦略的な要所に隠れていたPKKも時折(トルコ空軍の)F-16戦闘機に対してドチュカ(対空砲)、イグラ(携帯式地対空ミサイル)、ストレラミサイルなどで抵抗したという。特に、ザロス山とザップ谷のカラダー地域に次々と出撃した戦闘機は、PKKのミサイルと対空砲に対し偵察気球を用いた。これによりPKKの戦闘機に対する攻撃は効果が無くなり、谷に出撃した戦闘機は、多くの標的を攻撃した。
■高地に撤退した
ザホからイラン国境まで伸びる350キロもの北イラクの国境で多くの場所を制圧していたPKKは、国境での軍事作戦のため、村での制圧地点を放棄して、高地の戦略的でより安全な場所に撤退した。PKKが放棄した地域は北イラクのクルド自治政府の暫定的な支配地域となった。そのためこの地域に行くことを希望する一般市民は、臨時の治安検問所で一旦検査を受けた後、通行が許可されている。PKKの活動していた場所は立ち入り禁止地域に定められ、この地域における一般市民の通行は制限されている。トルコが突如砲撃を行ったことにより、PKKが活動していた場所にある人々の憩いの場も、週末ピクニックをしたい一般市民に対して閉鎖された。PKKの活動地域の中にあるいくつかの村で生活している人々は、ザホ、ドゥホク、アルビルとスレイマニイェ地域に一時的に避難した。今後、一部避難家庭のためにクルド自治政府によって臨時の避難所が作られる予定だ。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:24323 )