疑惑浮上―ヴァンで倒壊したビルの柱は、一階で切られていた?
2011年10月25日付 Zaman 紙
ヴァンのM7.2の大波が原因となった倒壊は、建設段階の問題を明るみにだした。ヴァン市内で倒壊した7階建てのサファ・アパートメントの入口の柱は、自動車展示場として使われていたときに切断されていたことが判明した。
エルジシュでも倒壊した建物には同様の問題がある。ヴァンヨル通りでは10棟以上が倒壊し、その大半は使用不可能な状態になった。当該の建物のいずれにおいても、一階部分に構造壁が使用されていかなったことがわかった。こうした状態は、建物が下層部で倒壊する原因となった。トルコ・コンクリート連合執行委員会アイハン・ギュレユズ会長は、ヴァンにおける倒壊の主たる原因は、建築資材の不十分さと、監査の不足にある、と指摘する。
ヴァンでおきたM7.2の地震を象徴する光景となった7階だての建物の一階部分では、何本かの柱が取り除かれていたとの疑いがもたられている。主張によると、建物の下層部の自動車展示場として使われている部分で、車が簡単にUターンできるようにと、何本かの柱が取り除かれていたらしい。地震は、ヴァン市内では10棟のビルの倒壊を招いた。その最大のものは、カーズム・カラベキル通りの7階建てのサファー・アパートメントビルだった。28戸からなるこの建物は、29秒間の地震で瓦礫の山と化した。この悲劇には、答られねばならない何十もの疑惑がある。この建物を建築し、1階をある時期、自動車展示場としてつかっていたN.B.氏が、車の移動を簡単にするために、何本かの柱を取り除いたとの疑惑がもちあがっている。建物の建設業者でもあったN.B.氏は、その後、その部分をある薬局の倉庫として貸し出した。この倒壊したビルからは、昨日、19歳のマーヒデ・バルさんとその他3人が救出された。このアパートに下宿していた学生のマーヒデ・バルさんは、瓦礫の下から家族に電話をかけ、6時間半に及ぶ救出活動の末、助けだされた。
ヴァン県のエルジシュ郡でも同様の光景が目にされた。市内の最もにぎやかな通りであるヴァンヨル通りの10以上の建物が倒壊した。壊れた建物に共通するのは、1階が店舗や事務所としてつかわれていることだ。壊れた建物のいずれにおいても、一階に支えとなる構造壁が存在していない。これが建物か下層階で崩れる原因となった。
さらにこれらの建物には新しく建てられたものが多い。通りに面した建物の多くは建ってから1年から5年しかたっていない。奨学金学生寮協会の学生寮も新しく建てられたばかりだった。あるプラザの柱は、地面と接する部分で破壊されている。この建物でも、支えとなる壁がない。建築業者は、建物の入り口を広く取って道に大きく開くよう、構造壁を避けているという。エルジシュの国立病院や役場の建物も、被害をうけた。
■新しい建物の多くが、違法建築
被災地の建物では、上階はしっかりしていても、一階部分の柱が建物や揺れの衝撃を支え切れずに倒壊した。トルコ・コンクリート連合のアイハン・ギュレルユズ会長は、柱がこのような使われ方をするのは通常では考えらない、という。倒れた建物のコンクリートが工学的な条件に適した形でつくられなかったために、小麦をこねた時のようにバラバラになったのだという。ギュレルユズ氏は「ここでの最大の問題は、監査体制だ。そして、職務怠慢」と述べる。ギュレルユズ氏の説明によると、ヴァンには7つのコンクリート会社があるが、そのいずれもが、「品質保証システム」の確認を受けていないという。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:24342 )