独メルケル首相、トルコ系国民へメッセージ「極右犯罪はドイツの恥」
2011年11月19日付 Radikal 紙
ドイツのメルケル首相は、ネオナチ・テロ組織によって殺害されたトルコ人に関して次のような声明を発表した。
「犯人は誰なのか、それぞれの事件の関係性を知る共犯者がいるのかどうか、皆が知りたいことです。このような犯罪は、ドイツの恥です」
ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、ドイツでトルコ人8人を含む10人の殺害容疑をかけられているネオナチ・テロ組織と諜報機関との関連性に関して、「犯人は誰なのか、それぞれの事件の関係性を知る共犯者がいるのかどうか、遺族だけでなく、我々皆が知りたいことです。そのため、この事件が明確になるまでは、我々も平穏を取り戻せません」と述べた。
メルケル首相は、トルコ社会に向けたビデオ映像の中で、今日は最近自身と多くの人々に衝撃を与え、さらには戸惑いをもたらしている事柄について話したいときりだし、「10人(トルコ人8人、ギリシャ人1人、テューリンゲンの婦人警官1人)殺害の全貌はわかっていませんが、全ての手がかりは、この殺人事件がネオナチ狂信者によるものであることを示しています。ケルンでの恐ろしい爆弾事件も、恐らく同じ犯人によるものでしょう。このような犯罪は、ドイツの恥です」と話した。
メルケル首相は、最初に犯人ではなく犠牲者の親戚や家族のことを考えたと述べ、以下のように話した。
「今から言うことは、私にとってとても重要です。すなわち、私も遺族と同じように悲しみの中にいますし、ドイツの多くの人々が私たちと同じ思いでいます。愛する人の死を乗り越えなければならないように、この先何年もこの事件がどうして起こったのか、わからないまま不透明性の中で生きていかなければいけません。犯人は誰なのか、それぞれの事件の関係性を知る共犯者がいるのかどうか、遺族だけでなく、我々皆が知りたいことです。そのため、この事件が明確になるまでは、我々も平穏を取り戻せません。ドイツは法治国家であり、この法律はどれくらい我々と共にあったのか、いつ施行されたのかに関係なく、全ての人に有効です。法律の力に対する我々皆の信頼が、ドイツに住む人々を結び付けているのです」
この殺人事件は2つの理由から自身を戸惑わせていると述べるメルケル首相は、まず、犯人捜査が何年もの間成果をあげていないことを調査する必要があると指摘した。
メルケル首相は、「このため、現在行われている捜査についてももちろん再検討しなければなりません。いくつかのことについては違う方法でやらなければならなかったのか?もっと良い方法で行われるべきことは何だったのか?国と州がまさにこの点において検討しており、そのことが重要なのです。シークレットサービス(捜査官)に執行に関する権限が与えられることは望みませんが、公的立場の人々は互いに、情報交換する必要もあります。ここで、事件から何か我々が学ぶべきことがあるかどうか、よく検討するつもりです」と言った。
メルケル首相は、憎悪のイデオロギーを持つ人がドイツにまだいることが、自身を戸惑わせている2つめの理由だとし、以下のように話した。
「このことに関しては皆が責任を負わなければいけません。もちろん、特に連邦首相である私が。憎悪、人種差別主義、反ユダヤ主義、それにネオナチズムを人々の頭の中から取り除かなければなりません。これは、連邦政府としての我々の任務です。これができなければ、平穏な日々はやってきません。このため、ドイツでこのことに関して努力をしている勇敢な人々に、感謝をしたいです。いいえ、我々は、この国で、他者への嫌悪をもって生きていきたくないのです。人を侮辱するこの思考に我慢はできません。まさにこのため、我々は常にはっきりと述べます。我々は、こうした考え方に対し、ヒューマニズム、人間の名誉、それに法治国家でもって対抗します」
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( 翻訳者:津久井優 )
( 記事ID:24593 )