EU加盟国11外相、共同声明でトルコ称賛
2011年12月01日付 Milliyet 紙

11カ国のEU加盟国の外務大臣らは、作成した共同声明でトルコを大いに賞賛し、そのEU加盟プロセスを支持した。

EUオブザーバーでドイツ、イギリス、イタリア、スウェーデン、フィンランド、ハンガリー、チェコ、スロベニア、リトアニア、エストニアの外務大臣が署名した声明において、EUで起きた経済危機を理由に近隣諸国に背を向ける必要はない、と強調された。

「特に共同市場にとって新しい経済中心地であり、地域的な影響力を増しているトルコは、私たちの共同外交の営みに協力しえる。私たちはトルコのEU加盟プロ セスが双方にとって利点があり、経済競争力、エネルギー保障と地域的な安定といったような共通する目標を遂げる上で重要性を帯びていると固く信じている」と声明は記しており、トルコの外交は次のように評価された。

■「ダヴトオール外相は鍵となる仲介者だ」

「今世紀が始まってから地域的勢力としてのトルコは、バルカン半島西部、中央アジア、南アジア、アフリカの角において影響力と権威を増している。アフメト・ダヴトオール外相は、先月イスタンブルで開催されたアフガニスタン会議における尽力に限らず、(あらゆる問題で)鍵となる仲介者であり続けている。トルコの主催で初めてアフガニスタンや近隣諸国は平和目標を掲げた政治と安全保障の措置を実施するという点で和解に至った。アラブの春は、地域がよりよい方向で変化するという点を保障する上で、EUとトルコが共に働きかけることがどれほど利点をもつかを再度示した。トルコがEUの外交的議論への参加を増すことを好ましく思っている。この点ではトルコが、その先見性と影響力を用いて、世界的に不透明な時期にEUがグローバルな対話をいかに強化できるかを示している。」

声明では急速な発展を遂げるトルコ経済についても評価をおこない、「世界で16番目の経済大国であるトルコは、2015年にG20の議長国を任される。トルコは EUにとって7番目の貿易相手国であり、この規模はEUとの経済的な繋がりの近さによるものである。トルコの輸出のうちEUは46%を占めている。トルコに来る外国資本の3 分の2以上がEUからのものである。トルコが今年上半期に10%ほど成長したことに注目するなら、これはEUートルコ間の経済関係の深化と多いに関係している」と記されている。

また、トルコの内政改革についても支持されており、「トルコは民主主義(のあり方)、国民(の扱い)、そして行政(のあり方)を変えた。軍隊に対する文民統制を強化し、そして司法改革を続けている。少数民族の権利は、ここ最近、かつて少数民族の財団から押収された不動産の返還により段階的に改善されている。現在トルコは1980年に軍が作成した現行憲法を改正しようと議論を重ね、新しい変化に着手しているところである」と書かれた。

■「失望するほどのスピードでしか前進していない」

声明では、ここ10年間、EUはトルコが変化に富む中心地であると述べており、EU加盟交渉は行き詰まりを見せていることが批判された。また「ここ最 近、加盟交渉は失望するほどの速度でしか前進していない、しかし、トルコはEU基準に合うように改革を続けている。EU拡大担当のステファン・ ヒュレ氏が(提出した)EU-トルコの関係における「更新された肯定的な協議事項」という提案を好意的に受け止めている。この提案は、経済関係強化、対話の深化、またトルコの内政改革の支援、またEU-トルコ間の合法的な行き来を容易にして不法な移民問題に対処する点で新しい機会を提供している」とされた。

また、加盟交渉においてトルコがEUスタンダードに沿う必要があると記され、EU委員会の最新の進捗レポートには「報道の自由」や「少数民族の権利」に関する懸念が記されていたことに言及している。

新憲法はトルコが更なる変貌を遂げるために大事な機会となると強調し、レジェプ・タイイプ・エルバカン首相が全国民が納得する憲法を作成したいと発言したことを好意的に受け止めている。

トルコがキプロス問題の解決を支援し、港をキプロス共和国側の船舶に開放する必要性を説き、キプロス問題の解決が航路保護からEU-NATOの協力の前進に至るまでの相当な利益をもたらすものと注目している。

共同声明で「トルコの加盟プロセスには双方にとって相当の戦略的・経済的な重要性がある。トルコがEU加盟のために改革を続行していることを好意的に受け止めているし、まさに支持している。EUとトルコは共に世界的な経済・政治の嵐の中で更に信頼のある形で前進していくことが可能である」と書かれた。

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:24716 )