トプカプ宮殿、外廷門に銃弾のあと
2011年12月01日付 Zaman 紙


昨日(11月30日)の朝、リビア国籍のサミル・サリム・アリ・エルマドハヴリが行った襲撃の痕跡が、トプカプ宮殿の外廷門に残されている。約1時間半にわたり続けられた襲撃は、(犯人の)殺害によって終結した。衝突の規模は、宮殿の大理石とコンクリートの部分に残された銃弾の痕からはっきりとわかる。

昨日の朝方に発生した事件で、リビア国籍のサミル・サリム・アリ・エルマドハヴリは、シリアのナンバープレートの付いた車(注:原文まま)でトプカプ宮殿の入口に乗りつけ、まず警備員と兵士たちに、その後周囲に向けて無差別に発砲した。事件発生後、多くの警察官が事件現場へ派遣され、宮殿内にいた人々は全員外に避難した。長時間にわたる攻防の末、襲撃犯が説得に応じないことがわかると、機動隊チームが介入した。機動隊チームは、短時間の衝突の後、このリビア国籍の襲撃犯を殺害した。

■襲撃犯が殺された場所には血痕が残された

トプカプ宮殿の外壁には昨日の朝方に起きた恐怖に満ちた瞬間の痕跡がはっきりと残されている。襲撃犯が周囲に向けて無差別に発砲した事件で、宮殿の歴史有る大理石の円柱が銃弾により大きな損害を被った。宮殿の大理石とコンクリートの部分にある何十もの銃弾の痕は、衝突の規模をあらわしている。襲撃犯が宮殿の敷地内に入った後、陣取り、殺された場所では血痕が未だに残っている。

観光客を運ぶ為に使われていた一台の民間バスも襲撃を受けた。襲撃が行われた時、トプカプ宮殿周辺に駐車されていた観光バスの多くも標的となった。襲撃でバスの窓やボディは銃弾の被害を受けた。弾痕が確認されたバスは調査を受けた。
一方、トプカプ宮殿で修復工事を行う作業員たちが衝突の爪痕を写真におさめていた。朝方宮殿に来た専門家チームは、衝突によって受けた被害を調査した。宮殿の壁に生じた被害を記録した専門家らは、長時間にわたる調査の後、撮影した写真とともに事件現場を離れた。

■襲撃犯にアラビア語を話す警察官が説得を試みた

トプカプ宮殿で武装した襲撃犯が、制圧作戦で殺害され、その身柄が確保された後、行われた作戦に関する詳細も明らかにされ始めた。制圧作戦を指揮したテロ対策担当局(TEM)の指揮官が、約15分にわたりアラビア語を話す2人の警察官を介して容疑者の説得を試みていたことが明らかになった。

スルタン・アフメト広場で武装した襲撃犯が無差別に発砲を行っているとの知らせを受け、警察は警戒態勢をとった。広場周辺に配置されていた警官隊によって、武装した一人の人間が発砲しながらトプカプ宮殿の中に入ろうとしているとの知らせを受け、テロ対策担当局の各チームが出動した。
事件現場に関して最初に確認が行われた後、現場から人々を移動させ、一般市民の安全が確保された。宮殿入口の門の狭い場所にいた襲撃犯は、2人の兵士に対し発砲した後、門の内側にいた軍警察の下士官と外側にいた警官隊の銃撃を受けた。また襲撃犯が負傷した兵士が所持していたMP5拳銃と自身の2丁の銃を使って計300発を発砲したことから、襲撃を止めさせる為に最終突撃が決行されることとなった。

■アラビア語を話す警官が襲撃犯と交渉を行うために送られた

制圧作戦を指揮するTEMの指揮官は、トルコ語を話さない襲撃犯のもとにアラビア語を話す警察官を送り込むことを決めた。至急アラビア語を話せる警察官を見つけ事件現場へ送り込んだ。説得を続けたこの2人の警察官は、犯人に対してアラビア語で話しかけながら襲撃を止めさせるよう努めた。約15分間この説得は続いた。しかし、容疑者は断固として襲撃を止めなかった。この間、双方から発せられる銃声もやむことはなかった。宮殿の敷地内にいた軍警察の下士官に銃弾と防弾ベストが支給された。最後の無線通話で襲撃犯の傍に人質がいるかどうかが特に考慮され、(襲撃犯への)接近はそのことを踏まえて行われた。最後の交渉も失敗に終わったことを受け、警察の無線で「統制をとりながら(計画を)実行に移すように」との指令が伝えられた。この直後、機動隊の警官たちは制圧作戦を開始し、容疑者は死亡のまま身柄を確保された。

■トルコへは初めて来た

事件後に身元が明らかになったリビア人のサミル・サリム・アリ・エルマドハヴリ容疑者は、タクスィムで宿泊していたホテルからタクシーで事件現場まで来たことが判明した。事件で使われた猟銃は300トルコリラ、ポンプアクション銃は200トルコリラでそれぞれ購入していたことがわかり、容疑者の人間関係などがさらに調査されていると伝えられた。

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( 翻訳者:有田 潤 )
( 記事ID:24718 )