被災地ヴァンで、学校再開ふたたび延期
2011年12月02日付 Yeni Safak 紙

オメル・ディンチェル国民教育相は、ヴァンでいまだ余震が続いていることを理由に、ヴァンとエルジシュでの学校再開を延期する決定を明らかにした。他の郡では、12月5日から学校を再開する予定である。

オメル・ディンチェル国民教育相は「いまだ余震が続いていることから、イスタンブル工科大学(İTÜ)、中東工科大学(ÖDTU)、サカルヤ大学、そしてイスタンブル広域市の専門家チームによる校舎調査を開始させました。このため、この専門家チームの調査が終了するまで、ヴァンとエルジシュの学校再開を延期することを私たちは決定しました。ほかの郡では12月5日に学校を再開します」と述べた。

ディンチェル国民教育相は、ヴァン県の県災害緊急事態対策局で行った記者会見で、ヴァンとエルジシュでの学校再開時期についていくつかの調査を行っていると述べた。

ディンチェル国民教育相は、確認した結果、エルジシュでは直ちに教室が必要な状況ではないことを説明し、以下のように続けた。

「12月5日に授業を再開しても、教室は足りると確認致しました。両地域で授業再開した場合でも十分であると思えました。ヴァン都市部でも、教室に困ってはいません。問題のない状況であるにもかかわらず、2つの根本的要因を考慮し、改めて我々は決断し直しました。いまだ余震が続いていることから、İTÜ、ODTÜ、サカルヤ大学、そしてイスタンブル広域市の専門家チームによる調査を開始させました。このため、専門家チームの調査が終了するまで、ヴァンとエルジシュでの学校再開の延期を決定しました。他の郡では12月5日から授業を再開します」と語った。

■ 生徒達の20%は他県に転校

ディンチェル国民教育相は、ヴァンにいた学生達の内、20%が他の県に転校したとみられると述べ、「今日までに約38,461人の生徒達が他の県に移り、そこで彼らの教育は再開されています」と語った。

ヴァン県の県災害緊急事態対策局で行った会見でディンチェル国民教育相は、ヴァンとエルジシュ両地域の学校再開について、教室の数は十分に足りていることを明らかにし、被災して自宅に住めない教師に向け、コンテナの仮設住宅や宿泊施設への居住場所確保の作業が最終段階に達していると述べた。

ディンチェル国民教育相は、ヴァンとエルジシュで行った調査の結果、今ある学校の内23%の校舎が使用出来ないと見られていると説明し、次のように続けた。

「しかしながら、以前に下した決定によって、8年生と12年生の生徒を他県に転校させる措置を取り始めました。さらに転校する子ども達が家族とともに移り住む各県で、学校への登録手続きが行われました。ヴァンの生徒の内20%が他県に移ったと思われます。我々が失った教室の数と他県に移った学生の数を比べた結果、我々は教室には困らないと思います。今日までに約38,461名の生徒が他県に移り、そこでは教育を受け始めています。この転校した生徒の内、4千人が8年生と12年生の生徒達です。この生徒達が移った各県では、単に学校教育が続いているだけでなく、同時にトルコ各地のNGOの支援によって、SBS(中学生を対象とする学力判定試験)と大学入学試験準備のため、この地域にある予備校への登録を今日までに2,500人の生徒が無料で行いました。いまだに2,566人の学生が転校申請を行っています。彼らが一刻も早く転校できるよう努力しています」

ディンチェル国民教育相は、教室不足に対応するため、コンテナの教室やテント村でのテント教室を用意すると述べると同時に、既に着工済みで10日内に完成予定のプレハブ学校を視察したことを説明した。

ディンチェル国民教育相は、学校が再会されるまでテント教室とコンテナ教室において、8年生と12年生の生徒達のための補習授業と試験準備コースを開講する予定であると語り、このコースは月曜日から始める予定であると述べた。

またディンチェル国民教育相は、各校舎を調査する専門家チームの作業が終了するまで、各教師に講習を受けさせる予定であることを強調し、次のように話した。

「エルジシュとヴァンで着任予定の先生達と、すでに着任していた先生方に対し、オリエンテーションと地震・災害講習とともに、社会心理学の講習を我々は開く予定です。子ども達に対しても、学校が再開されるまで、私たちは時間を無駄に過ごすつもりはありません。先生方への講習と子ども達への教育の埋め合わせを続ける予定です」と述べた。

ディンチェル大臣はある質問に対し、地震で配偶者や子どもを亡くした教師の求めに応じて、彼らが希望する他県への転勤を行ったことを説明し、それ以外の教師はヴァンで待機していることを強調した。

ディンチェル国民教育相は、「ヴァンとエルジシュの学校はいつ再開されるのですか」との質問に対し、「少し前に先生方と我々が行った話し合いでは、(学校再開に向けた)具体的な日程は出ませんでした。日程を決めることが重要ではなく、十分な数の学校の調査が行われたら、早急に学校を再開する予定です」と答えた。

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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:24733 )