シリアで食料価格20%上昇、トルコの経済制裁の影響?
2011年12月03日付 Milliyet 紙

最も重要な貿易相手国の1つであるトルコも経済制裁を実施したことにより、シリアは深刻な経済危機に直面した。食料品の価格は20%高騰した。

国際社会が相次いで表明した重い経済制裁によってシリアの経済は停止している。約9ヶ月続いた暴動の間に短期間ダマスカスを訪れる許可を与えられた少数の記者の1人であるニューヨーク・タイムズ紙のニール・マクファーカー記者は「バッシャール・アサドの統治に対して行われている経済戦争」を目撃した。EU、アラブ連盟、アメリカ合衆国およびトルコが直ちに経済制裁を実施し始めたことによって、シリア銀行はもっとも基本的な送金すら不可能な状態となり、一方で繊維業者は禁輸措置下のサダム・ヒュセイン時代のイラクの二の舞だとし、「大学教授がタクシー運転手になる」と不満を口にする。

■アサド周辺の圧力

国家経済の最も重要な収入源である観光業の現状は悲惨だ。ホテルの従業員全員が、アレッポのあるホテルに滞在中のドイツ人旅行者と(最後の記念にと)「写真」を撮影したことに表象されている。ダマスカスからアブダビの顧客に製品を送れないデザイナーは経済制裁を「私たちを餓死させて大統領を罰するやり方」と言い表した。ダマスカス商工会議所のムハンマド・ハサン・アル・カッラー会頭は「アラブ連盟の制裁実施をまったく予期していなかった」と述べた一方、アサド大統領と同時に近親者のビジネスマンたちが破産の危機に直面してアサド大統領退陣のため圧力がかけられる可能性があると見ている人々もいる。

■2つの見解

将来に関してシリア実業界では2つの異なる見解が有力である。父親のハーフィズ・アサド時代に国際的な孤立を経験した年配の実業家らはシリアが経済制裁に順応できると主張する一方、2000年代初頭のバッシャール・アサド大統領の経済を外国に開放する政策のもとで育った若い実業家らは、それほど冷静ではない。ある専門家は、「社会のダイナミクスは完璧に変わった。新たな世代は、これまで投機的に小麦をストックしていたが、それを食べるだけではすまないだそう」と評価した。

■数字にみる経済崩壊

50%…貿易と投資は50%減少した。
12~20%…経済は今年12~20%の間で後退が見込まれている。
22%…失業率は22%に達した。
60億ドル…2010年に60億ドルの収入があった観光業は完璧に停止した。
27万…1日36万8000バレルであった原油生産は27万バレルに減少した。
20億ドル…14の民間銀行から合計20億ドルが引き落とされ、預金額は20%減少した。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:24745 )