宗務庁、モラ(モッラー)をイマームに「雇用」―2012年度実施へ
2011年12月12日付 Radikal 紙

ベキル・ボズダー副首相は、東部および南東部地方の地域社会で影響力があり尊敬されている「メレ」と呼ばれている人たちを、試験に合格することを条件に契約イマーム説教者として宗務庁の職員に雇用することを明らかにした。

ヒュリエット紙のヌライ・ババジャン記者の報道によれば、宗務庁は東部および南東部地方のための新しいプロジェクトを始めている。同庁は、地方社会でメレ、一般的にはモラ(モッラー)と呼ばれる、人々が宗教上の問題を相談する人々を職員として採用する予定だ。ベキル・ボズダー副首相は、「わたしたちはこの人たちのことを調査した。地域社会で影響力があり尊敬され、その言葉は人々をふみ止まらせ、あるいは行動に移させる人たちである。この人たちの力を、ムフティ局の監督のもと活用したい」と述べた。ボズダー副首相は、「宗務庁の2012年に向けた最も重要なプロジェクト」として位置づけ、その取り組みについて以下の ように述べた。

「東部にはメレ、私たちが知る表現でモラ(モッラー)と呼ばれる、(公的な)宗教教育は受けていないが、宗教に関する知見があり地域社会で尊敬を集めている人たちがいる。この人たちを宗務庁が活用できるようにするため、以前に出された法律による規則の一部を調整した。この種の人たちの中から宗務庁がおこなう試験に合格した人を、契約イマーム説教者として活用したい。これは一回限りの処置ではない。1,000人を雇用する予定である。我々の推計では、800人くらいが必要だと思う。」

■十二イマーム派(シーア派最大派)の導師も登用

「例えば、ウードゥル県とアルダハン県地域には、十二イマーム派の信徒がいる。彼らの間で、人気の高い宗教的知識人がいる。宗務庁として彼らの力を借りたい。1年以内に、地域社会で尊敬され、人気のある宗教的知識人を宗務庁の職員に雇用しようと考えている。契約雇用の形態で職務をおこなう。(採用)試験は宗務庁が準備し、受験における年齢制限をしない。十分な調査をおこなった。彼らは地域社会で影響力があり尊敬され、その言葉は人々をふみ止まらせ、あるいは行動に移させる人たちである。この人たちの力を、ムフティ局の監督のもと活用したい。他の人々に彼らが利用されるのもこのようにして妨げることができるのだ。6か月の試用教育期間をとる予定である。東部地方ではイマームが不足している。かの地に任命したにも関わらず、赴任しない者もいる。こうした不足も解消されるだろう。」

「進行中の別のプロジェクトもある。特に東部地方では、そこで任命されたイマームと説教者はその地域外にはほとんど行けないので、それを修正することである。現在、西部地方で、こうしたひとたちをトレーニングすることを模索している。セミナーや視察旅行を準備している。担当地域以外の暮らしや人々についても知ってほしいのである。」

■地域社会の名士

クルアーンに書かれているこの言葉(メレ)は、地域社会の名士、知識人、見解を諮ることができる人、支配者階級を指すものである。地域社会の仕組みや彼らが受け入れている価値観によって、「メレ」グループ(の性質)は地域毎に大変異なっている。物質を尊ぶ社会では資産家、国家権力を重視する社会では国家の要人、ファシスト体制では独裁者、軍事政権での専制者、民主的社会における政治家、官僚、インテリにあてはめることができるだろう。イスラーム社会において、メレ・グループというのは総じて知識人と徳のある人たちを指している。「メリー」から派生したこの語の意味は、「満たすこと」である。目、景色、美しさ、高貴さを満たすということは、この語を用いて表現される。メレとは、「名士、地域社会の先頭に立つ人々」という意味となる。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:24827 )