米議会で「反トルコ」決議、わずか2票で可決
2011年12月14日付 Radikal 紙

「トルコ国内のキリスト教徒の権利を100%尊重すること」をトルコに要求した第306号法案は、アメリカ合衆国下院議会を通過した。

議会に「サスペンションルール」の手法で提出された同法案についての審議は、議会における全審議が終了した後、トルコ時間の朝5時頃開始された。

法案を提出した人物のうちアルメニア・ロビーの強力な支持者である下院外交委員会メンバーのハワード・バーマン氏とエドワード・ロイス氏が同法案についての説明を行った。バーマン氏とロイス氏の支援者として、反トルコ法案が出る度に支持をしていることで知られているアダム・シッフ、フランク・パル氏、エリオット・エンゲル氏、ブラッド・シャーマン氏も発言を行った。

議会のトルコ友好団体共同議長エド・ホイットフィールド氏はというと、法案に反対する旨の発言を行った。

法案審議が始まったとき、サロンには7人の議員がいたが、約40分後投票に移ったときにはベルマン氏、ロイス氏、ホイットフィールド氏の3議員のみが残っていた。

議会の議長が行った口頭投票では、ベルマン氏とロイス氏が法案に賛成したことで、法案は下院議会を通過した。

■「トルコは信教の自由を侵害している」

法案に関する発言でベルマン氏とロイス氏は、トルコは信教の自由を侵害していると主張した。両名は、少数派団体の所有財産の返還に関する法令は「適用範囲がきわめて小さく、またあまりにも遅すぎる措置」であると主張し、所有財産に関する法整備において明らかにされた日付が変更され早められる必要があると述べた。

トルコに好意的な発言したトルコ友好団体共同議長エド・ホイットフィールド氏はというと、トルコは信教の自由と少数派の権利(の尊重)においてここ数年重要な進歩を遂げたとし、このような国を批判するのではなく、励ますべきであると述べた。

ホイットフィールド氏は、この進歩はトルコが(キリスト教徒問題に)善意を持っている証左であるとし、米国国務省の信教の自由に関する最新の報告書では、この進歩を指摘し、またヒラリー・クリントン国務相が(トルコでの)少数派団体の所有財産返還について好意的な発言をおこなったことに言及した。

ホイットフィールド氏はこの問題に関し具体的な措置を取ったトルコが米国にとっても重要な同盟国であるとし、アフガニスタン、イラク、中東での問題においてトルコが示した重要な貢献についても言及した。

ベルマン氏とロイス氏は、1915年の事件を「大虐殺」であったとする一方、ホイットフィールド氏は当時オスマン帝国は戦争状態にあり、双方ともに死者が出ていたことに触れた。

■法案に拘束性は見られない

アメリカのアルメニアロビーとギリシャロビーが強く推しているこの法案は、「米国国務相が、トルコ政府に対し、あらゆる機会を利用してこの問題をとりあげる」よう求めている。

法案は、米国国務相がトルコ首脳及び関係者との外交にあたり、次の点を強調するよう求めている。

「全ての宗教差別に終止符を打つこと」

「いかなる妨害や制限も設けることなく、教会及び教会の財産管理者が、礼拝、宗教教育、修道士の教育、宗教団体の集会、老人・貧困者への援助を含む社会奉仕活動及びその他の宗教活動を行う権利を認めること」

「全てのキリスト教教会の、礼拝所、修道院、学校、病院、記念碑、聖所と、芸術作品、写本、宗教作品などの動産をはじめとした、その他全ての宗教財産を実の所有者に返還すること」

「いかなる妨害や制限も設けることなく、教会及び教会の財産所有者が、トルコ国内にある全ての教会、その他礼拝所、修道院、学校、病院、記念碑、聖所、その他宗教財産の保護、修復、再建する権利を認めること」

しかし、法案に拘束性はない。

同法案には、7月に署名を撤回した外交委員長イリアナ・ロス・レイティネンも名を連ねている。レイティネン氏の他にも、法案を作成したエドワード・ロイス氏とハワード・バーマン氏、その他30名の名も記載されている。

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( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:24838 )