トルコ、英の「アタテュルク」登録商標無効裁判で敗訴
2011年12月20日付 Radikal 紙
タラフ紙の報道によると、トルコで法律で保護されている「アタテュルク」の名が、今後EU諸国で商標として使用される。イギリス系ムスリムであるムハンメド・スジャフ・ジョヘル・ヤクブ(Muhammed Sujah Jioher Yaqub)氏は、アタテュルクの名が、2005年10月5日以降EUの商標として全加盟国で通用するよう商標登録申請した。トルコはこの状況に対抗して裁判を起こし、「アタテュルクの名はムスタファ・ケマルの妹でさえ名乗れなかった。このため、『アタテュルク』の姓は他の指導者たちの名とは異なるものである。誰もこれをブランドとして使うことはできない」と主張した。しかしトルコは裁判に負けた。「アタテュルク」の商標登録を得たヤクブ氏は、EU諸国において、このブランド名で衣料品、掃除器具、清涼飲料水、靴、薬を生産することができる。
■アタテュルクが商業ブランドに
トルコは、欧州共同体商標意匠庁(OHIM)に申請し、商標登録の棄却のため裁判を起こした。この裁判でトルコは、アタテュルクの名はブランド名として使用されえないと法廷に訴えた。しかしEU法によれば、著名人の名はもし登録されていなかったならば誰でもブランドとして使用することが出来る。
トルコの主張に対し行動を起こしたブランドオーナー、ムハンメド・スジャフ・ジョヘル・ヤクブ氏の弁護士らは、抗弁のためトルコで調査を始めた。「アタテュルク」の名が多くの場で使用されていることに気づいた弁護士らは、抗弁で「アタテュルクの名はトルコの多くの場所で使用されている。『アタテュルク森林農場』がこの筆頭に来る。また、商業製品も生産されている。加えて、グランドバザールでアタテュルクと書かれた多くの製品が販売されている。さらに、車や服の上にもアタテュルクの名が載っている」と述べた。
■アタテュルク製品が棚に並ぶ
この抗弁を受けて決議を下した法廷は、トルコの主張を不当とみなし、「アタテュルク」の名の商標登録をイギリス系ムスリムのムハンメド・スジャフ・ジョヘル・ヤクブ氏に与えた。ヤクブ氏が「アタテュルク」ブランドで設立した会社では、さまざまな製品の生産が可能である。ヤクブ氏は全EU諸国で、このブランド名で衣料品、掃除器具、清涼飲料水、靴、薬品を生産することができる。
■トルコがブランド申請を
商標登録裁判についてタラフ紙に語った商標コンサルタント会社の弁護士、アブドゥッラヒム・アヤズ氏は、「トルコはこれから、裁判所の決定に控訴することができる。だが第2審でも結果は変わらないだろう。もしアタテュルクの名の商標権を得た人物が5年のうちになにも生産しなければブランドの所有権を失う。その際にはトルコが改めてブランド申請をしてアタテュルクブランドを登録することもできる」と述べた。
■トルコはプローディを登録済み
トルコはブランド名の棄却申請で、アタテュルクが国家元首であり、この名はブランド名としては使用され得ないと述べた。しかし、トルコにおいても国家元首や重要人物の名はブランド名として使用されている。これらの筆頭に、トルコ商標機構によって商標登録が与えられたブランド「ロマーノ・プローディ」がある。ロマーノ・プローディ氏は元イタリア首相で、重要な政治家の一人である。
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( 翻訳者:吉岡春菜 )
( 記事ID:24888 )