レバノン:シリア情勢への対応
2011年12月21日付 al-Hayat 紙

■レバノンの国防相、アル=ベカーアに「アル=カーイダ」がいると述べる

2011年12月21日 『アル=ハヤート』

【ベイルート:本紙】

 昨日(20日)、レバノンのファーイズ・グスン国防相は「シリアへの武器密輸と、アル=カーイダ要員が同国に潜入しているとの情報がある。彼らは、シリアの反体制派であると装い、国境地域のアルサール郡をはじめとするアル=ベカーア地域の違法な通過地点を経由してシリアに潜入している。」と述べた。同国防相は、「こうした活動を取り締まり、潜入を阻止することは軍と治安部隊の第一の責任である」と表明した。

 グスン国防相は、この問題を閣議で提起すると明らかにした上で、全員が責任を持つように自らが持つ情報を説明すると述べた。しかし、政治筋は、国境地域のアルサール郡に焦点を当てることは、シリア軍による国境侵犯とレバノン領内での発砲が増加する中でのことであると考えている。シリア軍の発砲により、レバノン人多数が負傷しており、数日前にはフライティー家の者1名が死亡している。しかしながら、レバノン当局はこの人物の死亡について、現場での治安状況から生じる別の原因について話している。

 レバノン国防省筋は、レバノン軍司令官のジャン・カフージー将軍がミッシェル・スライマーン大統領、ナビーフ・ビッリー国会議長、ナジーブ・ミーカーティー首相に対し、「西ヨーロッパ筋」の情報としてアルサーンに「アル=カーイダ」と関係するレバノン国民がいるとの情報を伝えたと述べた。また、同司令官は首脳に対し、レバノン軍は捜査のためこの人物を拘束しようとしたが、地元の人々がそれを阻止したと伝えた。一方、地元の人々は、レバノン軍が拘束しようとした人物は、アルサール郡に長期間居住して働いているシリア国籍の人物で、政治には関わっていないと述べた。

 昨日(20日)のグスン国防相の密輸についての発言は、レバノン国内でのシリア危機の影響を増幅させる発言である。特に、シリア当局がヒムス市とその周辺、およびレバノンとの国境付近への封鎖を強化する中、レバノンではシリア危機にどのように関与するかを巡り国内の諸組織が政治的に分裂している。

 野党はアルサールを経由したシリアへの密輸活動の存在を否定し、「アル=カーイダ」分子がいることを疑問視している。野党側は、密輸を阻止するためにシリア軍が国境に展開していることを指摘し、政府に対しシリア当局とシリアによる継続的な国境侵犯防止のための連絡を取るよう求めている。また、野党は「ヒズブッラー」が軍とともにアルサールに進入したと非難しているが、ヒズブッラーはこれを強く否定している。

 昨日(20日)、スライマーン大統領は、シリアがアラブ連盟との協力議定書に調印したことに対する周辺地域・中東地域の立場は、アラブ連盟や国連安保理でのレバノンの公的な立場の正しさを反映していると表明した。

 レバノン駐在のイラン大使であるガドンフル・ルクンアバーディー大使は、シリアがアラブ連盟との協力議定書に調印したことを、「非常に前向きな措置であり、アラブ連盟がシリアの諸条件に配慮したのである。」と考えている。同大使は、イランは近隣諸国に対し全く悪意を抱いていないと強調し、「地域の静謐は、地域諸国が外国からの干渉を離れて地域的な安全保障体制を構築することで実現する。現在我々は、新しい段階の始まりにいる。新段階の特徴の一つは、米国-イスラエルの陰謀を抑える上で均衡がイランに有利に転換していることである。」と指摘した。

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( 翻訳者:高岡豊 )
( 記事ID:24893 )