アメリカのスパイ、カメラの前で告白
2011年12月19日付 Jam-e Jam 紙


逮捕されたCIAのスパイの告白、昨夜テレビ放映される

 イラン情報省がイラン系アメリカ人のスパイを特定・逮捕したと発表してから2日後の昨夜、このスパイの口から、西側諜報・治安機関の支援の下でいかなる計画遂行を担っていたかの詳細についての告白が、イラン国営放送第3チャンネルで放映された。

 「操られて」と題された17分間のこのドキュメンタリー番組は、アミール・ミールザーイェ・ヘクマティーがいかにして米諜報機関に加わり、いかなる訓練を受け、そしてどのようにして彼が「時のイマームの無名戦士たち」〔=情報省の諜報員〕によって特定・逮捕されたかを、彼自身の言葉で語る内容となっている。

 番組の冒頭で、2008年にバラク・オバマ大統領の命で、アメリカ中央情報局(CIA)内に「イラン・デスク」が立ち上げられ、同デスクがモサド及び英IM6と協力して「3面プロジェクト」を立案、イランに影響力を浸透させるためのルート確保に向けて全力が注ぎ込まれたことが指摘された。

 アメリカに生まれ、ペルシア語に堪能で、アラビア語にも多少通じているアミール・ミールザーイェ・ヘクマティーは、この任務にとって最適の人物として選ばれたという。実際、最適の選択肢を選ぶための特別チームが組まれ、検討の結果、アメリカ・アリゾナ生まれであると同時に、ペルシア語を母語とするヘクマティーをおいて、他に適切な者は見つからなかったとされる。

 ヘクマティー自身が語ったところによると、彼は諜報員として10年間中身の濃い活動と訓練を受けたという。まず2001年8月に正式に軍人となった彼は、そこで各種の軍事訓練を受けることになる。彼は次に、特殊な大学に送られ、そこで様々な軍事訓練と同時に、中東地域の複数の言語の習得といった教育も受けたとされる。「君には大学に行って、アラビア語を学んできて欲しいんだが」と彼は〔上官から〕言われたという。

 ヘクマティーはその後、アメリカの軍人としてイラク入りし、ラマーディー基地に配属される。彼の任務は、親米的な傾向を持った、ホワイトハウスを支持してくれそうな人物をイラクで見つけ出すことだった。

 ヘクマティーはこのことについて、次のように述べている。「我々の目的は、アメリカを受け入れている人物、親米的で、そのためにどんな事件が起きてもアメリカの味方になってくれるような人物を見つけ出すことだった」。

 彼は告白の中で、さらに次のように付け加えている。「我々がアメリカ軍事情報局にレポートを送り、それを受けてそこの関係者が我々の見つけた人物と接触して、秘密裏に面談し、〔米軍のエージェントになってくれるよう〕交渉する、という段取りだった」。

 彼によると、アメリカがこうしたことをする理由とは、同国が可能な限り各国の内政、特に石油を支配したいがためだったという。アメリカはイラクの油田を占拠し、OPECを破綻させ、石油の取引をドルだけで行わせ、そうすることで中国やロシアに対する自らの力の増強を望んでいたというのである。

 ヘクマティーは次のように指摘している。「アメリカはまた、地域のイスラーム主義勢力に浸透することで、ムスリム人民の間に入り込み、彼らを逸脱させようと企んでいた。実際、アメリカは民主主義をもたらすとの触れ込みでやってきたが、しかし彼らの意図は〔イスラーム諸国を〕世俗化することだったのだ。彼らはそのために、ムスリムに対して影響力を浸透させようとしていたのだ」。

 このドキュメンタリーによると、ヘクマティーは早くから、自らの才能を先述の当局者らに証明してみせたという。実際、彼はイラクでの任務を終えるや、諜報関係の企業数社に雇われたのである。

 「ダールパー」社は、米国防省の最先端の研究情報機関であり、ヘクマティーは2005年から2007年までそこに勤めていた。米政府の監督下にあった同社は、ペンタゴンからプロジェクトを受注していたという。ヘクマティーはダールパー社の後、「クーマー・ゲイムズ」社に転職する。この会社はコンピューター企業で、CIAからの注文で、中東諸国の人民の思想を変えるためのビデオやコンピューター・ゲームを制作し、それらを無料で彼らに提供していたとされる。

 ヘクマティーはこのことについて、「これらのコンピューター・ゲームの目的は、イラクやアフガニスタンの人民に対して、アメリカが両国で行っている仕事はよいことだと納得させることだった」と指摘している。

 その後、ヘクマティーは「キューバク」社に移った。同社は民間企業ではあったが、密かに諜報活動もしていたという。

 ヘクマティーが頻繁に就業先を変えた理由は、様々な企業で諜報活動の経験を積むことにあったという。その一方で、彼の周辺の人や友人たちは、彼の活動がいかなるものであったのかについて、まったく知らなかった。このCIAのスパイが語ったところによると、CIAの職員は様々な企業に勤め、その人物が諜報員であることについては、その企業の社長しか知らなかったとされる。

 その後、CIAのイラン・デスクは、ヘクマティーに対してその主目的、つまりイランに潜入するという活動を任命することになる。〔‥‥〕

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:24898 )