エルドアン首相、対仏・対抗案を発表
2011年12月22日付 Milliyet 紙

アルメニア人虐殺に関する法案が承認された後、エルドアン首相は、予想どおりの発表を行った。

我々は、自国の歴史に誇りを持っていると話すエルドアン首相は、仏への敵意をむき出しにし、8つの対仏・対抗措置を実施する。すでに駐仏大使をアンカラへ召還した。政治、軍事、経済、財務活動や人的交流等すべての活動を中止する。また、軍事演習もすでに中止された。

レジェップ・タイイプ・エルドアン首相は、1915年の事件に関し仏国民議会(下院)が、アルメニア側の主張(アルメニア人虐殺があったとする主張)の否定を禁止する法案を可決したことについて、「大変不幸なことだ」と述べ、このことが、土仏関係に遺恨を残すことになると強調した。

仏には「表現の自由」がないと述べるエルドアン首相は、「これはなんと不真面目なアプローチであり、いい加減な採決であろうか、到底理解できない」と話した。この企ては不適切だと指摘するエルドアン首相は、この決定が、仏国民議会でトルコ人外交官であったユルマズ・チョルパン氏が暗殺された日(1979年12月22日アルメニア人テロ組織ASALAによりパリで暗殺)に合わせて審議されていることが暗示的であると述べた。
エルドアン首相は、仏国民議会で10分の1の出席で採決が行われたことが、より暗示的であると述べ、「我々の歴史では、このような虐殺はない。これを認めることは不可能だ。トルコ国内には、約10万人のアルメニア人が居住している。この一部はトルコ国民であり、また、一部はトルコ国民ではないが、トルコに居住している」と話した。

■対仏・対抗措置

「歴史は、国会で書かれるのではない、国会での採決では事実が歪められる。歴史を歪める者や歴史を政治のために悪用する者を、歴史も、国民も許すことはないだろう」と述べたエルドアン首相は、対仏・対抗措置を発表した。

対仏・対抗措置は以下のとおり。

―駐仏大使をアンカラへ召還した。

―政治、軍事、経済、財務活動、人材交流等すべての活動を中止する。

―軍事演習は中止された。

―仏とのあらゆる政治協議は一旦停止された。

―仏軍機は、(トルコ領空内を)飛行する毎にトルコから許可を取る。

―EU加盟に向けたプロジェクトで、仏とは協力しない。

―仏軍艦の寄港要請を本日以降拒否する。

―2012年に経済大臣間で行われる土仏共同経済会議にトルコは参加しない。


■ウクライナとの共同会見

レジェップ・タイイプ・エルドアン首相は、トルコ・ウクライナ間では、査証免除協定が署名されていることを挙げ、「貿易額は、2015年末までに200億ドル、2020年末までには400億ドルを目指している」と述べた。

同首相とヴィクトル・ヤヌコヴィッチ・ウクライナ国務大臣は、二者会談及び二国間会談後、共同記者会見を行った。ヤヌコヴィッチ大臣との会談後、トルコ・ウクライナ・ハイレベル戦略協力会合を共催したと説明するエルドアン首相は、「この訪問が、両国の外交関係20周年を目前に実現したことも重要なことである」と述べた。

エルドアン首相は、新たなプロジェクトでトルコ・ウクライナ関係を拡大させる考えを明らかにし、今回の会談は、来年キエフで開催予定の会議のためにも重要なロードマップを確定させる好機となった。二国間関係を方向づける政策対話が、あらゆるレベルで緊密に継続されることは、このロードマップにさらなる多様性をもたらす。特に、運輸、エネルギー、防衛のような将来性のある分野で協力を強化していくことに合意した。両国の発展を加速させ、この地域で繁栄と安定の帯を築くことが第一の目標である」と話した。

■ウクライナとの自由貿易協定(の交渉開始)に合意

人、物、サービスの自由な流通を可能にする条件の基礎に向けて交渉を開始することに合意したと述べたエルドアン首相は、「あなた方もご存知のとおり、我々は査証免除協定に署名し重要な一歩を踏み出した。順調に進むことを願う。ウクライナとの二国間関係、貿易関係、友好関係の強化に向け、この前進が加速すると確信している」と評価した。ヤヌコヴィッチ大臣と自由貿易協定(の交渉開始)についても合意したことを話題にしたエルドアン首相は、以下のように続けた。

「これは、両国のために重要な一歩である。こうすることで、貿易額は、2015年末までに200億ドル、2020年末までに400億ドルに到達することを目標にしている。今回の会談で、クリム・タタール人の状況についても議題に上った。こうした中で、タタール人社会の経済、文化、政治、社会的な問題を解決するために我々ができることを話し合った。トルコ協力開発機構(TİKA)が現在2200万ドル規模の投資を実現している。現在、キエフに事務所を開設し、このような投資を拡大させていく目標をヤヌコヴィッチ大臣と共有した。教育、貿易、観光の分野で、何ができるのか、これらの分野の実情を検討する機会を持てた。」

[訳者注:本翻訳では、ウクライナ関係記事とフランス関係記事を分けるため、記事原文のパラグラフの順番を一部変更しました。]

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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:24920 )