一般に「虐殺否定法」として知られる、1915年の事件に関するアルメニア側主張を否定することを「罪」とする法案が、フランス国民議会で可決された。
フランス国民議会会本会議の評決には約50人の議員が参加した。これは、577人の議員のうち、約10%にあたる。
議会で可決された法案は、次に上院におくられる。上院で、「修正提案」なしに可決されると、法制化される。「修正提案」が付されると、あらためて国民議会で審議される。議会は、この本案の審議をした22日夕刻からクリスマス休暇に入り、1月9日まで休廷する。上院への提出は、この1月9日となる。
大統領選のため、上院、国民議会ともに2月22日から休暇に入る。法案がそれまでに成立しない場合は、無効となる。
本日行われた審議の冒頭で、法案を作成した与党国民運動連合(UMP)のヴァレリー・ボイヤー議員が発言した。ボイヤー議員は、「ここでの目的はトルコとの関係を悪化させることではなく、フランス国民を守ることにある。同僚の皆さん、この法案への指示をお願いします」と述べた。同議員は、「一部の国は、1915年の事件を否定するという罪を犯している。しかし罰を受けていない。1914年にアルメニア人の3人に2人が強制移住を強いられるか、殺されるかしたのだ。みなさんの支持を期待する」と述べた。
■17人の議員が発言
審議では合計17人の議員が発言した。演説をした議員のうち、フランス・トルコ友好議員連盟のミシェル・ディーフェンバッハー議員と、中道右派の大統領候補フランソワ・バイル氏は、法案に反対する見解を述べた。バイル氏は、「ルアンダでも、カンボジアでも、フランスのヴァンデ県でも、虐殺はあった。このあと、これらも審議するのか。これは危険な試みだ」と述べた。
発言のあと、修正提案が審議され、投票に移った。
■項目ごとに評決
修正提案では、「表現の自由を侵害」しているとして、この法案の第一条「フランスの法律によって認められている虐殺を、否定するとは処罰の対象となる」の削除が求められた。しかし、この修正は認められなかった。この結果、法案の第一条が承認された。続いて、第二条が評決され、可決された。
法案の全条が一条づつ可決されたのち、全体が採決に付された。「法律によって認定されている逆説の否定」を禁止し、この罪を犯したものに1年の禁固刑と4万5千ユーロの罰金を科す法案は国会本会議で出席者の多数決で決まった。同法案に関する審議と採決には、約4時間を要した。
フランス議会は、1915年の事件に関し、アルメニア側主張の否定を罪とすることを目的とした法案を、2006年に可決したことがある。しかし、(その時は)ニコラ・サルコジ大統領が、同法案の上院への提出を認めなかったため、法案は廃案となった。フランスは、いわゆる「アルメニア虐殺」を2001 年に公式に認めている。
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( 翻訳者:トルコ語メディア翻訳班 )
( 記事ID:24922 )