トプカプ宮殿を襲撃し3人にけがを負わせたリビア人のサレムは、カダフィ時代に警官であり、その当時精神的治療を受けていたということが明らかになった。サレムはその後反政府勢力に加わり、カダフィと戦っていたという。
トプカプ宮殿を恐怖に陥れたリビア人の犯人、サミール・サレム・アリ=エルナドハヴリの人生が判明した。36歳既婚で2人の子供の父親であるエルナドハヴリは、カダフィ政権時代に警官をしていた。2009年に彼は体調を崩し、ビンガジのある病院に入院した。そこで精神的治療を受けたエルナドハヴリは、2月に始まった「革命」の風の中反政府グループに参加したという。
ハベル・トゥルク紙のニュースによれば、カダフィに対して争ったエルナドハヴリは逮捕され、ビンガジとトラブルスの間にある拷問で有名なカダフィ政府のミスラタ刑務所へ収容された。その後ミスラタが反政府グループの手におちると、解放された。刑務所が開放された後エルナドハヴリはビンガジにいる家族のもとへ帰った。
■家族はニュースをテレビで知った
エルナドハヴリは、11月17日にトルコ航空の飛行機でイスタンブルへ行き、タクスィム広場にあるホテルに泊まった。そして11月30日、彼は襲撃を実行した。
息子の名をリビアのテレビで聞いた72歳の父サリム・アリ・エル=エルナドハヴリ氏は昨日朝ビンガジのトルコ大使館に赴いた。父親は、そこで息子の死を知らされた。
悲しい知らせに打ちのめされた父親のエルナドハヴリ氏は、「息子は精神的に問題がありました。精神的に健康ではなかったのです。私たちはトルコを嫌っているということはありえません。私たちはトルコが好きなのです。息子もトルコが好きでした。トルコの人々とトルコ共和国に対し、幾千回ものお詫びを申し上げます。この行為が、トルコに対して行われたものではないと考えています」と語った。悲嘆にくれた父親は、トルコ大使館職員は自分にとてもよくしてくれたと述べ、息子の遺体を自分の国へ運ぶことを望んでおり、そのための支援を期待していると語った。
■数か月間拷問にあっていた
息子は、トルコへ子供たちのための買い物へ行っていたと述べたサリム・アリ・エル=エルナドハヴリ氏は、「手と足を縛りつけられ、カダフィの兵士たちから何カ月も拷問に遭っていたようだ」と語った。エルナドハヴリを弔うために、家の前には弔問用のテントが張られた。息子が生前この地域で愛され、また尊敬される人物であったと述べる父は、息子は銃をリビアで売るためにイスタンブルで購入した可能性があると述べた。
父親のエルナドハヴリ氏は、息子が、以前モスクのドアに鍵をかけ、モスクで礼拝していた人々を人質にとり、礼拝にきていた人々の説得によって犯行をあきらめた事があったということを明らかにした。「ライフル銃を購入したあと、ときどき起こっていた発作がまた起こっていたとしたら、このような行動に出てしまった可能性がある」と述べた。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:藤田晶弘 )
( 記事ID:24927 )