耐震性診断、問題ビルは5カ月以内に取り壊しへ
2011年12月24日付 Milliyet 紙

エルドアン首相がヴァン地震後取り組むように指示をした「耐震性の無いビルの取り壊し」に関する法案が明らかになった。ドイツ製のX線装置で問題ビルを診断する。

エルドアン・バイラクタル環境都市整備大臣は、ヴァン地震後に出された都市再生プロジェクトに関する法案が準備できたと説明して、「問題のあるビルをX線装置で診断します。欠陥ビルと診断されれば、取り壊しのため一定期間設けます。この間に取り壊されなかった場合、我々が取り壊し、費用をビル所有者から徴収します」と語った。

バイラクタル大臣はイスタンブルでこの問題についての会合を開催し、「天災リスクのある地域の再生に関する法案」を1月に提出する予定であると述べた。大臣は、法律には2つの重要な柱があると説明したが、第一は欠陥ビルの取り壊しに関してであり、第二は取り壊されたビルが建っている土地の評価に関するものであると述べた。

大臣はこの問題に関して次のように語った。
「リスクのあるビルを診断するためにドイツ製のX線装置を輸入しました。法律制定後、イスタンブルをはじめとしてすべてのビルでこの装置を使って無料で診断します。欠陥ビルを取り壊すために3段階の期間を設けます。所有者がビルを取り壊さない際は、行政が取り壊しを告知しさらに1か月の猶予を与えます。この期間までに取り壊されなかったら我々が介入します。ビルは取り壊され、取り壊し費用と同額が土地所有者に負債として記録されます。取り壊し費用がない場合は援助する予定です。」

■3分の2の賛成で決められる

バイラクタル大臣は、「取り壊した後、ビルがあった敷地(の所有権)は、土地債券化されます」と話し次のように続けた:「債券保持者は望むならば敷地を自分たちで活用することができます。合意に達しなければ、債券保持者は3分の2の賛成で決めることができます。合意しない者の債券の金額が算定され、「3分の2」の合意者に購入が提案されます。彼らが購入すればそれで解決です。しかし彼らにお金がなければ債券を国家が購入して、集合住宅局の名義で土地台帳に登記します。こうすることで、国も土地の共同所有者となります。」

■「ハンムラビ」方法ではない

バイラクタル大臣は、その後、建物建設の段階になると語り、建物ができあがったら、国は国の持ち分を売却して資金を回収すると話した。大臣は、この処理の際、小さな土地をまとめて都市を再生すると続け、「取り壊しに反対して訴訟を起こすことはできないでしょう。ビルを取り壊した後の敷地の利用について、3分の2の過半数を確保することができなければ、その際は国が介入し、敷地全体を市場価格で国有化します」と話した。

同大臣は、ビルに欠陥があれば、3か月以内に所有者/所有者らが取り壊さなければならないと説明した。もしも取り壊されなかった場合、行政側が取り壊し、対価として所有者らの持ち分を差押えるとした。それとともに、「このプロジェクトはハンムラビ法典のように法(杓子定規に)適用するものではありません。国民と話し合いながら、この問題を解決するのです」 と語った。

■資金源は「ババジャン」が検討

エルドアン・バイラクタル環境都市整備大臣は、トルコ全体で1,900万戸の住宅があり、40%については立て直しが必要であると語った。そして、「つまり760万戸ということです。しかしながらこれを即実行と考えないようにしなければなりません。これは20年にわたるプロジェクトになるでしょう。このために4,000億ドル(約31兆円)の資金が必要になるでしょう」と話した。大臣は、このプロジェクトを、全ての党と国民の賛成に基づき行いたいとのべた。一方、「資金はどこから持ってくるのか」との質問に対しては「資金源については、アリ・ババジャン副首相が考えることです」と話した。

■ヴァンは新たに作られる、10万人に雇用のチャンス

エルドアン・バイラクタル大臣は、現在テントで1万4千人が暮らしており、1万家族がイスタンブルに一時的に避難していると述べた。バイラクタル大臣は、数ヵ月後からヴァンで大規模な住宅建築を始めると述べた。

ヴァンには3万戸の住宅が建設されるというバイラクタル大臣は、「3月に建設をはじめる。1戸の住宅の建築には、3.5人が働く。3万戸の建築になると、約10万人分の仕事となる。町の経済も活性化するだろう。地震で町を去った人々ももどってくるだろう」と述べた。住宅は、100平米になると述べるバイラクタル大臣は低価格で、20年の分割払いで売却される、と述べた。バイラクタル大臣は、「首相の判断で価格は30%値引きすることもできる。自分で自分の家を作りたい人には、低金利で提供する」と述べた。

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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:24940 )