仏国会で承認されたアルメニア人虐殺否定禁止法案の立役者、国民運動連合(UMP・フランス中道右派政党)のヴァレリー・ボワイエ議員の人気が高まっている。ボワイエ議員は最近では特に、彼女の選挙区マルセイユ在住でフランス市民権をもつアルメニア人からの賞賛を得ているという。
同議員がニコラス・サルコジ大統領とともに訪れたアルメニア視察は、本紙にも掲載されたが、この視察後に提出した法案ゆえに、彼女はトルコでもすっかり有名になった。
ボワイエ議員は1962年6月11日フランスのシェール県ブールジュ市で生まれた。父は「アルキ(アルジェリア人とフランス人のハーフ)」であり、ボワイエ議員の母もチュニジアにルーツをもつ。父のガブリエル・ボワイエ氏は、1921年アルジェリアのモスタガネム生まれ。母のルシアン・ボルグさんも 1932年にチュニジアで生まれた。ボワイエ議員自身は、離婚し3児の母である。
2001年、マルセイユ市のジャン・クロード・ゴータン市長の許で働き始めたことから政治キャリアを積み始めたボワイエ議員は、2007年、地元で左派を打ち負かし、UMPからブーシェ・ドゥ・ローヌ区マルセイユ代議員として選出された。その後、UMPの厚生担当事務局長に任命され、過度に痩せたファッションモデルや、そのような補正広告写真を禁止する法案で世間に知られるようになった。
■2国間の緊張も
国会議員に選出される前、仏アルメニア友好協会の副会長の任に就いたボワイエ議員は、2011年8月フランス人協会員を伴ってアルメニアの首都 エレバンを訪れたという。ボワイエ議員はそこで「虐殺記念碑」に花輪を手向け、アルメニアの総主教ガレギン2世を訪問した。またエリバン市内にある、殺害されたトルコ人記者フラント・ディンク氏にちなんで同氏の名前がつけられた通りを歩いた。彼女は随所で、自身がアルメニアの代弁者であるとスピーチしており、選挙区マルセイユに住むフランス市民権を持つアルメニア人の賞賛を得 ている。「トルコのEU加盟に断固反対です」と話す彼女が、昨年ナゴルノ・カラバフを訪問した際には、(それに抗議した)アゼルバイジャンからフランスへ外交的メモが渡るという緊張状態も飛び出したという。
同議員は、アルメニア訪問にかかわる写真を自身のインターネットサイトにアップしており、同サイトにはフラント・ディンク記者の妻ラケル・ディンクさんとのショットも掲載されている。
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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:24950 )