ヴァン地震の被災建物を日本人が検証
2011年12月25日付 Hurriyet 紙


ヴァンで発生した地震後にトルコの様々な大学とともに日本からの専門家もヴァンにやってきて調査をしている。専門家たちは、大きな被害を受けた建物を一つずつ回って、細かく測定し写真を撮影している。日本から来た楠浩一教授は、ヴァンで行う調査は単にトルコと日本だけでなく、全世界に有益な研究になるだろうと述べた。

横浜国立大学の楠浩一教授はここで詳細な調査を行っており、地震で大きな被害を受けた建物の損傷の原因を見つけ出すためにこのような調査を行っていると述べた。

ヴァンの建物は地震への耐性があったと述べた楠教授は、「数多くの建物において深刻な被害はない。多くの建物は今回の地震に耐えた。これに対し欠陥のある建物には深刻な被害があった。多くの建物の基礎構造には被害がなかったが、壁の設計の誤りや不備が原因で被害が生じた。これらが死亡あるいは負傷の原因になることが多いのだ。基礎はしっかりしていても、壁の構造への措置を講じる必要がある」と述べた。

イスタンブル工科大学(İTÜ)建築学部長でイスタンブル工科大学構造地震工学研究所責任者のアルペル・イルケ教授は、ヴァンで行われた調査が、トルコだけでなく日本をはじめ全世界で地震研究をしている専門家たちに、重要な教訓と情報を与えるものとなるだろうと述べた。今回の調査で、多くの建物が耐震基準を満たしていなかったことが判明したとするイルケ教授は、「ここでの私たちの目的は、様々な程度の被害を受けた建物の細かな調査を行い、建物におけるどのような脆弱性がそれぞれの被害の原因となったのかを探ることである。耐震基準に即して、改めて調査をしてみると次のことがわかる。すなわち、(被害を受けたこれらの)建物が地震に適応していなかったことは明らかだが、見てわかるように、建物の被害は常にその一部で発生する。どの欠陥が、どのような被害の原因となるのかを研究者が調べ、日本の専門家の経験からも学び、正しく公開するよう努めている」と述べた。

ヴァンで最も懸念され、人びとを怖がらせている余震による建物への影響についても回答したイルケ教授は、「ヴァン地震後に起こった約7000回もの余震は、人々を怖がらせている。もし家々で全く被害がみられなければ、これは問題ではないでしょう。しかし、もし(地震により)家々に被害が生じているならば、もちろんそれは一つのリスクである」と話した。

日本の専門家たちは、ヴァンで大きな損傷を受けた建物を調査する際、計測機器を手に詳細に測定を行い、一方で写真を撮って記録を残していた。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:24955 )