「スカーフはBMVのイメージ壊す」BMV販売ボルサン社、スポンサー契約破棄
2011年12月28日付 Yeni Safak 紙


ボルサン社は、代理店となっているBMWの「自由を愛しむ」というキャッチフレーズをスカーフに対する頑なな態度で踏みにじった。ボルサン社は、ラリーチャンピオンのブルジュ・チェティンカヤ選手とスポンサー契約を結んでいた。しかしチェティンカヤ選手がテレビ番組の中で、一年間使用権を与えられたBMWにスカーフ着用の友達と共に試乗したところ、ボルサン社は、「我々のイメージを壊された」として、スポンサー契約を破棄した。

レーサーで番組製作者でもあるブルジュ・チェティンカヤ選手は、昨年の8月17日に、ボルサン自動車が販売する「ミニクーパー」ブランドとのスポンサー契約に関し、基本合意にサインした。「ミニ」のブランドマネージャー、ハカン・バユルゲン氏は、2012年の契約で、このスポーツ選手に「10万ユーロと2台のミニクーパー・カントリーマンALL4の一年間使用権」を与えることを提示していた。

その3か月後に、チェティンカヤ選手は、あるテレビ番組で、スカーフをした番組パートナーのメルヴェ・サナ・クルチュ氏とこの車に試乗し、さらに12月21日には、同じくルヴェ・サナ・クルチュ氏と共にヒュッリイェト紙の別冊「ケレベッキ」でも取り上げられた。主張によると、放映後社長から「宗教的なイメージが不快感を与える」と警告を受けたチェティンカヤ選手のスポンサー契約は、「予算削減」を理由に3日後に白紙にされた。

イエニ・シャファク紙の質問に答えたブランド・マネージャーのハカン・バユルゲン氏は、この間に生じた問題を認めた。そして「我々の(このような)態度は単にスカーフに関してだけのものではない。政治的なシンボルを身につけたとしても、やはり警告しただろう」と言った。バユルゲン氏は、契約破棄は「予算削減」を理由にして行われたと主張した。

■基本合意がなされた

有名な女子レーサーのブルジュ・チェティンカヤ選手の「スカーフ」により生じた問題の経緯はこうだ。チェティンカヤ選手は、トルコ・ラリー・チャンピオンシップ出場のため、ボルサンホールディングにスポンサー契約のオファーをした。オファーに答えたボルサンホールディング、「ミニ」ブランド・マネージャーのハカン・バユルゲン氏は、2011年8月17日に送った返答で「2012年シーズンのためにあなたに提供できる契約内容は、レーススポンサー料として10万ユーロ、2台のミニ・カントリーマン・ALL 4車の1年間の使用権です。この条件で、コメントをお待ちしています」とと述べていた。基本合意を受け入れたチェティンカヤ選手は、仕事もこれに従って続けた。

■「宗教的イメージ」の問題

チャンピオンレーサーのチェティンカヤ選手は、ボルサン社の「ミニ」ブランドとスポンサー契約を結んだ3カ月後に、あるテレビチャンネルで「自動車番組」を制作し始めた。彼女は番組を「スカーフ着用の」パートナー、メルヴェ・セナ・クルチュ氏と共に撮影し、その中で、テスト走行をしながら車のパフォーマンスを評価した。2人による「ミニ・カントリーマン・ALL 4」が使われる番組が放送され、ヒュッリイェト紙の別冊「ケレベッキ」で「スカーフ着用の」写真が掲載されると、チェティンカヤ選手は、最初の警告を受けた。ブランド・マネージャーのハカン・バユルゲン氏は、「我々は頭にスカーフを巻いた女性と君がミニと写真に写っているのを見た。これは我々にイメージ問題を引き起こした。外国はこんなことは望まない」と言い彼女に警告した。話し合いの席では、チェティンカヤ選手の「宗教的イメージ」から感じられる「不快感」に言及された。

■放映開始、契約終了

テレビ番組と12月21日にヒュッリェット紙の別冊「ケレベッキ」でニュースが伝えられると、チェティンカヤ選手は「宗教的イメージ」の警告を受け、数日後にはスポンサー契約の破棄を言い渡された。チェティンカヤ選手に12月24日に届いた報告では、会社は「非常に困難な時期」にあり、「2012年は苦境の年となりそうです。そのため前年より販売予算を削減しなければならない状況です。つまり2012年に販売予算を上げるわけにはいかないのです」とし、スポンサー契約を履行しないことが明らかにされた。

■政治的勲章であるなら再び同じことをする

この主張に返答した「ミニ」のブランド・マネージャーのハカン・バユルゲン氏は、ブルジュ・チェティンカヤ選手との一年のスポンサー契約に対し10万ユーロと車2台の1年間の使用権に関し合意していたことを認めた。(チェティンカヤ)選手がレースに出場していたことも認めたバユルゲン氏は次のように述べた。「しかし我々の態度は絶対にスカーフに対して向けられたものではない。このブランドのスタンスを崩さないためのものである。単にスカーフに対してではない。政党であったとしても我々の態度は同じだ。ある党のロゴが用いられていたならやはり同じことを言うであろう。ブランドがあらゆる政治的見解、政党、ロゴが、宗教的傾向、あるいは他の流行と同一視されることは、(BMW)本社と同じ方針と言えるのか否かに関係する。しかしこう言わねばならない。スポンサー契約を断念した公の理由はこれではない。我々は本当に2012年の予算削減が理由でこの契約を断念したのだ。」

■イメージが損なわれるのなら私たちに車を売らないで

ブルジュ・チェティンカヤ選手と共に撮影された自動車のテレビ番組は、レースのためのスポンサー契約と全く関係がないことを述べた番組司会者の一人、メルヴェ・セナ・クルチュ氏はスポンサー会社の「イメージ」に対する心配を理解するのは難しいと述べ、「この自動車会社は、スカーフをした人びとと車の売買をしているときにはイメージが損なわれる心配などは感じていない。しかし自動車番組でテスト走行を私たちがしたときには、このような心配を口にするのだ」と話した。さらにクルチュ氏は、番組放映後、友達の何人かがこの車を買うことに決めたと言った。そして「しかし(彼女たちの)スカーフが彼らの誇りを損なうというのなら、私にとっても今後、このブランドもその考え方も威信を失ったものとなるでしょう」と話した。

■こんなことに出くわしたのは初めて

10月よりテレビ24でブルジュ・チェティンカヤ選手と共に「自動車愛」という名の番組を担当していると話すイエニ・シャファク紙の別冊「日曜版」のリポーター、メルヴェ・セナ・クルチュ氏は、「今までたくさんの自動車のテスト走行を(チェティンカヤ選手と)一緒にしてきました。でもこんなことに出くわしたのは初めてです。会社側がどんなに公式に「予算削減」を理由として示そうと、友人のレーサーの契約破棄は私のスカーフが理由でしょう」と言った。

■レースで初

2007年、2008年、2009年と女子レース界でトルコチャンピオン及びに多くの記録を持つブルジュ・チェティンカヤ選手は、イスタンブル地区女子チャンピオン大会、2006年にはトルコレース女子チャンピオン大会に出場した。2007年には同大会でチャンピオンになり、2008年は同じ優勝杯を再び勝ち取った。今までに9つの大きなブランドと様々な時期にスポンサー契約を結んだと語る才気あふれる彼女は、しかし、このような状況に出くわしたのは初めてだと述べた。

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( 翻訳者:大嶽真梨子 )
( 記事ID:24998 )