トルコ、ロシアの天然ガス・サウス・ストリーム黒海敷設を認可
2011年12月29日付 Yeni Safak 紙
本地図はザマン紙より(http://medya.zaman.com.tr/2011/12/29/enerji2.jpg)
天然ガス・パイプライン「サウスストリーム」の建設をめぐり、黒海海底からのトルコの専管水域通過を許可する合意に、昨日モスクワで調印がなされた。
ロシアがウクライナを迂回することを重要視した、天然ガス・パイプライン「サウスストリーム」建設をめぐり、黒海海底からトルコの専管水域通過を許可する合意に、モスクワで調印が行われた。ロシアのウラジーミル・プーチン首相に並び、トルコのタネル・ユルドゥズ・エネルギー天然資源相、ロシアのイーゴリ・セーチン副首相も出席した調印式で、ボタシュBotaş社(トルコ国営ガス会社)のファズル・シェネル社長とガスプロム社(ロシア国営ガス会社)のアレクセイ・ミラー社長が署名した。両社長は、西パイプラインからのガス購入を2025年まで延長する契約にもサインした。
トルコとアゼルバイジャンが合意し、シャー・デニズⅡガス田で生産されるアゼルバイジャン産天然ガスを欧州に輸送するTANAP計画への調印がなされたことは、長い間具体的な進展を見せないナブッコ・パイプライン建設計画の今後に、大きな懸念をもたらした。
■二国間の協力関係が高まる
ロシアは、ウクライナを迂回するために様々な計画を進め、ここ数週間でガス・パイプライン「ノースストリーム」を開通し、欧州に別の方向からアプローチする。同国は、ナブッコ計画をしのぐ、630億立方メートルの輸送能力を見越すサウスストリームの建設を強く望んでいる。トルコの黒海における経済的専管水域の通過を目論んだ本プロジェクトのために、ロシアは長い間、トルコの合意を取れるよう努力してきた。ユルドゥズ・エネルギー天然資源相は、二国間の協力関係は、サウスストリーム計画の合意により、より高まったと述べた。またユルドゥズ天然資源相は、プーチン首相が二国間の関係とこのプロジェクトを上手に要約してくださったとのべ、二国間のエネルギー部門における協力関係をより発展させたい考えを明らかにした。「プーチン首相と我々の首相が下した決断をぜひ形にしましょう」と述べるユルドゥズ・エネルギー天然資源相に対し、プーチン首相は、「我々はトルコの方々が本当に信頼できるパートナーだと再認識した」と述べた。この間に、ボタシュ社とガスプロム社の調印が行われた。
■新年のプレゼント
ロシアのウラジーミル・プーチン首相は、トルコによる本プロジェクトへの合意を、我々ロシア人にとっては新年のプレゼントとなったと話した。同首相は、「戦略的な観点から非常に重要視していたこのプロジェクトで良い結果が出せたことは本当に素晴らしい。この協力関係と対話を(我々は)エルドアン首相と共に開始させた。我々二国間の協力関係において、エネルギー分野は大きな部分を占める。電力エネルギーも近年、価値を高めている。全ての分野において、我々の協力関係は良い形で発展しつつある。これら全ての発展には、ユルドゥズ・エネルギー天然資源相と信愛なるエルドアン首相の大きな貢献がある。エネルギーは我々二国間関係の唯一の案件ではないが、それでも非常に重要だ。トルコとは、高度技術・科学研究、商業、農業や建設分野においても協力関係が進展しつつある」と評価した。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:永井ひとみ )
( 記事ID:25010 )