ここ数日、ホルモズ海峡に対するイラン・イスラーム共和国の支配力をめぐって、各国当局からは様々な反応が示されているが、こうしたなか、戦略的に重要な同海峡で、本日早朝から大規模海上軍事演習「ヴェラーヤト90」参加の各部隊によって、新たな戦術態勢が試される予定となっている。
「ヴェラーヤト90」海上軍事演習の報道官は、この新たな戦術態勢によって、イラン・イスラーム共和国軍海上部隊が決断を下せば、いかなる船舶もホルモズ海峡を航行することは不可能となるだろうと述べた。
最終日を迎える軍事演習「ヴェラーヤト90」の本段階では、水上・水中・海上航空の各部隊を含む、イラン・イスラーム共和国軍海上部隊の大規模部隊が、北緯18度地点まで展開する予定となっている。
今回の演習実施の一方で、我が国の外交当局者らはこれまでつねに、イラン・イスラーム共和国はホルモズ海峡を封鎖する予定はないことを強調してきた。他方、我が国の軍事当局者や第一副大統領は、敵による敵対的行動があった場合には、イランの防衛地点の一つとしてホルモズ海峡を捉え、必要ならば同海峡を利用する意向であることに言及している。
モハンマド・レザー・ラヒーミー第一副大統領が数日前に発した発言は、これに関して最も毅然とした発言の一つと言えるだろう。同副大統領は、イラン・イスラーム共和国に対して石油の禁輸が科された場合には、一滴の石油もホルモズ海峡を渡ることはできなくなるだろうと強調したのである。
このラヒーミー副大統領の発言は様々な反応を惹起した。米軍事当局はこうした発言を批判して、ホルモズ海峡をコントロールするイランの能力について、疑問を呈したが、これに対しイラン・イスラーム共和国軍海上部隊のハビーボッラー・サイヤーリー司令官はただちに反論、ホルモズ海峡の封鎖はイランにとって一杯の水を飲むのと同じくらい容易だとの考えを示した。
同氏はその上で、イランが同地域で軍事演習を行う目的は、地域全体に恒久的な安全を確立することであり、地域に恒久的な安全を確立することのできる国は、それ以外のこと〔=ホルモズ海峡の封鎖〕をすることも当然可能だと強調した。
サイヤーリー司令官はまた、イランは必要とあらば、このような行動に着手するだろうと強調し、イラン・イスラーム共和国の軍が追い求めているものとは、すべての国のために恒久的な安全を地域に確立することだと語った。
他方、革命防衛隊総司令官代理のホセイン・サラーミー司令官は昨日、「革命防衛隊の先達らを称揚する会」の傍らで、「ホルモズ海峡は我が国の防衛地点の一部であり、いかなる状況下にあっても、われわれは状況に応じて必要な措置を講じることになるだろう」と語った。
イラン学生通信の報道によると、同氏は「われわれは自らの防衛戦略の実行のために、国の防衛ドクトリンにもとづいて、必要なあらゆる措置を講じるつもりだ」と強調した。
サラーミー司令官はさらに、「われわれの利益が敵によって脅かされた場合は、この死活的利益を守るため、あらゆる脅威に対して倍の脅威で応酬する所存だ。このことに時間的・地理的制約は存在しない」と明言した。〔‥‥〕
また、国軍海上部隊作戦次長で軍事演習「ヴェラーヤト90」の報道官を務めるセイエド・マフムード・ムーサヴィー第二海軍司令官も昨日、「イランはホルモズ海峡をめぐる自らの権利を軽視するようなことはない」と強調した上で、「ホルモズ海峡の航行に対して、障碍を設けるようなことはしていない。われわれはそのようなことを追い求めてはいない」と語った。
イラン学生通信によると、同氏は〔‥‥〕国軍が決断を下せば、いかなる船舶の同海峡の通過も不可能とするだけの力が〔国軍には〕あると指摘した上で、「ホルモズ海峡の利用は、同海峡の周辺諸国に関連づけられている〔=ホルモズ海峡をどのように利用しようとも、それは周辺諸国の権利である〕。イランはこの地域に長大な海岸線を有する国として、ホルモズ海峡には特別なシェア(持ち分)を有している。自らのこの権利を活用するにあたって、イランがこのこと〔=特別なシェアを有していること〕を蔑ろにするようなことはない」と語った。
同氏はさらに、「もしわれわれの利益が損なわれるような事態が起きれば、間違いなく、その他の国の利益も損なわれることになるだろう。われわれはホルモズ海峡に恒久的な安全を確立したいと考えている。エネルギー輸送であれ、商業用の船舶の通過であれ、〔船舶の〕航行はいかなる障害もなく、すべての国に認められている」と指摘した。
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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:25054 )