バシュブー元参謀総長、逮捕!
2012年01月05日付 Milliyet 紙

バシュブー元参謀総長は、ベシクタシュにあるイスタンブル裁判所で取調べを続けるイスタンブル共和国検察官のジハン・カンスズ氏により「被疑者」の扱いで事情聴取を受け、その後逮捕が請求された。これを受けて、イスタンブル第12重罪裁判所に送致された同氏に関する事務手続きが終了した。裁判所は、イルケル・バシュブー元参謀総長を逮捕することを決定した。バシュブー元参謀総長は、裁判所を出るとき「トルコ共和国の第26代参謀総長がテロ組織をつくり、指導したという罪状で逮捕されたのだ。国民に判断をゆだねる」と話した。

バシュブー元参謀総長は、7時間続く検察官の尋問の後、トルコ共和国憲法の第314条1項の「組織指導」と第312条1項 にしたがって、「強制力と暴力によってトルコ共和国政府を転覆し、また任務の遂行を部分的、もしくは全面的に妨げようと企てた」罪により逮捕され、裁判所に送られた。

■裁判所での尋問は1時間半にも及んだ

バシュブー元参謀総長は、検察官による尋問の後、イスタンブル第12重罪裁判所の判事の前に座った。裁判所での尋問は午後11時に 始まった。イスタンブル第12重罪裁判所のヴェダト・ダルダ判事はバシュブー元参謀総長の供述をとった。約1時間半、供述を行ったバシュブー元参謀総長は、「組織指導およびクーデター企て」の罪により逮捕された。

■バシュブー元参謀総長「国民の判断に」

バシュブー元参謀総長は警察の覆面パトカーにより拘置所に送られた。バシュブー元参謀総長の出入りに際し安全警備をとられた。バシュブー元参謀総長を送った護送車には、2台のパトカーがつきそった。裁判所から出たバシュブー元参謀総長は、新聞記者らの質問に対し次のように答えた。「トルコ共和国の第26代参謀総長が、テロ組織をつくり、指導したという罪状で逮捕されたのだ。国民の判断にゆだねる。」

■「悲喜劇的な状況である」

裁判所での供述で罪状を否認したとされるバシュブー元参謀総長は「この罪で告発されたのはトルコ共和国第26代参謀総長である。歴史を書く時には、そのことを注として記してもらいたい。私は参謀総長として、 トルコ軍を率いたのだ。このトルコ軍は世界で最も強い軍隊の一つだ。このような軍隊の司令官である人間が、武装テロ組織をつくり、それを指導したという罪を背負うことは実に悲喜劇的である」と話した。

■「とても悲しい。理解しがたい。」

自分を参謀総長として選任したのは、現在の政権である点に言及したバシュブー参謀総長は、「親愛なる大統領、親愛なる首相、国家安全保障評議会のメン バーとしてこの政府の閣僚らとともに働いた。その時期には、武装テロ組織をつくり、指導したとは認定されなかった、このことは留意しなくてはならない点だ。私は2010年8月30日に退役し、1年半後にこのような罪状で告発されている。とても悲しく、理解しがたい。テロ組織活動を現役当時におこなったとされているが、当時、政府の要人らにそのように認識されていなかったとしたら、このことも理解しがたい。」

■「名誉にかけて職務を果たした人間にとって非常に重い事実だ」

「結果としてこのような告発をされたことは、軍や、国、政府に対し、名誉にかけて職務を果たした人間にとって非常に重い事実だ。告発がこのような形で口にされるだけでも、私にとっては厳罰に値する。今後これ以上私を悲しませる罰はない。もし私が職にある時期にこのようなことをしたというなら、(その時点で)必要な措置が行われるべきだ。先の見解にどのようにたどりつたのか、私が記者会見で語ったことや、(軍が発表した)インターネット上の覚書の件に関連してインターネット上にでた記事、僅かなニュースによって参謀本部が告発されているのだ。」


■「インターネットサイトを閉鎖したのは私だ。覚書は私に提出されていない」

裁判所で供述したバシュブー元参謀総長は、インターネット覚書裁判で問題とされたサイトに関し、知らせをうけたあと、調査をさせたと述べた。バシュブー元参謀総長はサイトに関し、「初回の調査の結果、形態と技術上の点で、このサイトは法に沿わないとの報告があがってきた。このため、このサイトを閉鎖させた。(ですから)実際、私は感謝こそされ、その逆はありえない、このサイトを閉じたのだから。この覚書は私に提出されたものではない、そうなら必ずサインやイニシャルを書くだろう。この覚書の上に私のサインや、イニシャルを見たと証言できる人はいない。こうしてみると、政府は本来なら私に感謝しなければならないのに、今日この件で私が告発されているのは歴史の痛ましい出来事だ」と話した。

■「渡されたら署名する」

イルケル・バシュブー元参謀総長は、質問に対し、「副参謀総長から親愛なる司令官へという形式で上申された書類は、私に渡されなくてはならない。しかし、絶対に渡されなかった。渡されていたら署名やイニシャルを書いたはずだ。この覚書は、副参謀総長によって2009年4月1日付けで署名されている。告発によれば、私に2009年4月14日にこの覚書を渡したそうだが、この覚書についての手続きは2009年4月2日に本部で行われている」と話した。

■弁護士「憲法裁判所弾劾法廷での裁判を」

裁判所で話した弁護士のイルカイ・セゼル氏は依頼人に向けられた罪状に反対した。セゼル弁護士は、裁判所の書類に目を通すことができていないとし、「憲法の148条の変更により、審理は憲法裁判所弾劾法廷でおこなわれるべきで、書類がこれにそって直ちに憲法裁判所弾劾法廷に送られるべきと考えている」と話した。

■検察官は元参謀総長に「紙片」と「管」に関して質問

一方、検察官の尋問でイルケル・バシュブー元参謀総長に(軍が公正発展党とギュレンの教団を消滅させる計画を記したといわれる文書を)「紙片」、(エルゲネコン事件に関連してポイラズキョイで出土した武器を)「管(ボル)」(と呼んで矮小化した件)について質問がなされたことが明らかになった。カンスズ検察官は バシュブー元参謀総長に「記者会見で、捜査や裁判の対象となった出来事に関し、(ただの)『紙片』や(どこにでもある)『管』という単語を用いた発表を貴方はおこないました。この発表の目的は何だったのですか?」と質問したという。バシュブー元参謀総長はこの質問に対し、「私はトルコ軍のトップだ。私の発表は善意に基づくもので、それ以外何もない。司令官としてトルコ軍を鼓舞しようとおこなった発表だった」と話したという。

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( 翻訳者:畔上曜子 )
( 記事ID:25083 )