トルコ人の父親が娘をトルコで育てようとしたために始まった法廷闘争は、日本人母が勝訴した。
東京在住のニシズカ・ミチコさん(47歳)は、9年前にガズィアンテプから日本に観光で来ていたフェヴズィ・デニズさん(37歳)と知り合い結婚した。夫婦は 2005年に女の子(名前はカデル)を授かった。この一家は、ガジアンテプのカヤオニュ地区に住むデニズさんの実家を訪問した。話によると、デニズさんは、娘をどちらの国で育てるかについて口論していた妻のニシズカさんを「私がカデルを連れて日本に戻るから」と言って飛行機で先に日本に帰らせた。 その後デニズさんは日本に戻ったが、子供はガズィアンテプに住む彼の父母の元に残したままであった。
■ 大きな法廷闘争
あらゆる試みにもかかわらず、ニシズカさんは娘に会えず、また電話での会話も出来なかったために、直接トルコに行き在トルコ日本大使館に申し立てを行っ た。ニシズカさんは、在トルコ日本大使館の法律顧問である鳥越恵子さんと一緒にガズィアンテプに赴いて共和国首席検事に告訴し、子どもの引き取りと、夫に対し訴えを起こすことを望んだ。しかし訴訟の結果、裁判所は夫婦の離婚とカデルの養育権を父であるデニズさんに与える判決を下した。
■ 娘には母親の愛情が必要との判断
母親の弁護士であるセルメト・アタイ氏は判決を不服として上告した。上告を受け最高裁第2民事法廷は、「(父親側が主張するような)母親に育てられることで、子どもの身体、心、情操の発育が妨げられるという確かで説得力のある証拠は存在せず、またただちに発生する可能性のある危険も存在していない状況である以上、母の養育と愛情が必要なカデルが父親の保護下に残されることは、法の精神にも法そのものにも反するとの見解を明らかにした。判決は母のミチコさんに通訳を介して 伝えられ、彼女が大変喜んでいたことを明らかにしたアタイ弁護士は、「彼女はトルコにきて、子供を引き取る予定です」と述べた。
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( 翻訳者:濱田裕樹 )
( 記事ID:25098 )