トルコを非難のアルジェリア首相に、国内で批判の嵐
2012年01月09日付 Hurriyet 紙


トルコとフランスの“虐殺”をめぐる対立においてフランス側につき、エルドアン首相に対して、「我々の血を利用するな」と言ったアルジェリア首相にアルジェリア国内の全政党から激しい批判が起こった。

連立内閣のパートナーである社会平和運動や、国家改革運動、ナフダ党、国家変革戦線、アルジェリア国民戦線はそれぞれの政党記者会見で、アルジェリアのアフマド・ウーヤヒヤ首相の発言に対し、厳しい反応を示した。
アルジェリアのウーヤヒヤ首相の発言を不適当なものであるとの判断を下した政党の党首らは、「ウーヤヒヤ首相の発言は6世紀以上続く兄弟の結びつきを有し、友好関係にあるトルコに対立し、アルジェリアのシンボルである尊厳を傷つけ、謝罪を拒否したフランス側を支持する」ものであるとの評価を下した。

■スルターニ氏「この発言でフランスに加担した」

アルジェリア社会平和運動のアブ・ジャラッラーフ・スルターニ党首は、記者会見を行い、ウーヤヒヤ首相のエルドアン首相を非難する発言は容認できないと述べた。さらに、「我々には歴史的な問題がある。フランス植民地政策が革命の間の150万人を含む、550万人のアルジェリアの子供を殺したことは事実である。我々のこの問題について言及してくれたら、その人を尊敬の念を持って歓迎し、感謝する必要がある。その人に「あなたは我々の血を利用している」と言うべきではない」と語った。
スルターニ氏はウーヤヒヤ首相の発言がフランスに加担し、何百万人ものアルジェリア人を殺したフランスへの感謝として捉えられると明かした。そして次のように続けた:「ウーヤヒヤ首相のこの発言を、民主国民連合党首としてのものだと受け取る必要がある。これは彼の見解であり、述べたいことを述べるのは自由である。しかし、この発言をアルジェリア首相として行なったのなら、危険である。その場合、外交が全て首相の権限のもとにあることを示している。」

■トゥヴァティ氏「国民の要望を反映していない」

アルジェリア国民戦線のムーサ・トゥヴァティ党首は、ウーヤヒヤ首相の発言を最も厳しく非難した。トゥヴァティ氏は、メディアの会見を行い、次のように述べた:

「率直に言って、この言葉は無責任に発せられた発言である。私はここでこの発言をした人の就いている立場について言及している。アフマド・ウーヤヒヤ首相について言及しているのではない。首相はアルジェリアに友好的であり、政府が放棄してしまった記憶を取り戻す際に助けの手をさしのべようとしてくれた国家について悪く言う権利はない。実際に、これはアルジェリア国民の意思を反映していない態度である。」

トルコは友好的な国であり、トルコに対してこのような態度を示すことは正しくないと述べるトゥヴァティ氏は、「この言葉は我々に、ウーヤヒヤ首相の圧力の結果、アルジェリア議会が1年前に凍結したある法案を思い出させた。ここでもう一度問いたい、首相がこの法案を再び俎上にのせようとしないことの裏にある理由は何なのだろうか。もしくはこうした行動によって、フランス外務省の要望に応えているのだろうか。アルジェリア国民にとっての利益はこれのどこにあるのだ。謝罪や賠償を要求することは、フランスが植民地に対して行なった罪の犠牲になったアルジェリア国民の権利である」と語った。

■ナフダ党「面汚しである」

首相の発言に対する、ナフダ運動の態度も他と異なるものではなかった。運動の幹部としてもこの言葉は「政府が以前に犯した過ちに上乗せした過ち」であると述べた。こうした過ちの中には、植民地政策の罪を含める法案が、1年前にウーヤヒヤ首相によって凍結させられたことが入っている。ナフダ運動の報道担当者のムハンメド・フデイビ氏は、発言を次のようにまとめた:「ウーヤヒヤ首相は、アルジェリア政府が植民地政策を罪とすることに反対する姿勢をとっているとして、エルドアン首相がその過ちをさらすことを良しとしなかったのだ。」

国家変革戦線もウーヤヒヤ首相の発言を好ましくないと述べた。政党の報道担当者のアフメド・エド・ダン氏は「ウーヤヒヤ首相の言葉は、アルジェリア国民の大多数の意見を反映していないものだ。むしろ、かなり少数である特定の集団の意見である。」と語った。アフメド・エド・ダン氏はさらに、アルジェリアの国益は決してフランスのもとで停滞しているのではないこと、そしてこのことを首相が理解する必要があることを強調した。

一方、国家改革運動は声明を発表し、その中でウーヤヒヤ首相を「トルコのリーダーがアルジェリア国民を救うことを認めなかった。おそらくこのことの根本には、ウーヤヒヤ首相が全ての東洋的なものに対して神経質になっていることがあるのだろう。首相は、アルジェリアで長きに渡り一つの罪の歴史であるフランスに関する問題を棚上げしようとするあまり、これほどまでに大げさに話したのだ」と述べた。

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( 翻訳者:猪股玲香 )
( 記事ID:25128 )