KCK捜査、ふたたび各地で一斉捜索―公務員組合連盟本部など
2012年01月13日付 Radikal 紙

KCK捜査で、警察が大規模な捜査を始めた。BDPのイスタンブル県本部、ディヤルバクル市、公務員組合連盟(KESK)が警察の標的となっている。

イスタンブル県共和国主席検事局によって行われているKCK捜査で、17県103ヶ所で捜査が実施された。現在まで32人が逮捕されている捜査で、合計45人に対して逮捕の決定がなされたことが明らかになった。
警察は、平和民主党(BDP)のイスタンブル県本部、ディヤルバクル市、公務員組合連盟本部をはじめとした多数の場所で捜査を行った。捜査の過程で、元民主人民党(DEHAP)党首で、現BDPの中央執行委員会(MYK)委員である、トゥンジェル・バクルハン氏やBDPのファトマ・クルトゥラン副党首、ディジュレ通信社(DİHA) の記者であるムラト・チフッチ氏らが逮捕者の中に含まれていることも明らかになっている。ディヤルバクル県選出の国会議員レイラ・ザナ氏のアンカラの家と事務所も捜査の対象となった。捜査は、昼に終了した。

■秘密決定のため情報が提供されない

イスタンブルでの捜査では、イスタンブル警察本部テロ対策局の捜査員が7時25分に、BDPのイスタンブル県本部のあるビルに入った。党の弁護士がビルに入った後に、捜査がはじめられた。捜査の間、ビルには党幹部と党員の中の誰も立ち入ることができなかったが、BDPイスタンブル県支部長のアスィエ・コルチャク氏の立ち入りだけが認められた。
BDPイスタンブル県副支部長のオスマン・ウナル氏は会見で、秘密決定であるため自分たちに情報が提供されなかったと話し、「どういうつもりなのか。ビルで捜査が行われているが、秘密決定であるとして我々に情報をよこさない。我々がビルに入るのに許可を与えない。私はこのビルの責任者である。近いうちに我々は抗議を行うつもりだ」と述べた。ビルでの捜査は一日続けられ、パソコンのハードディスクのバックアップが取られることが明らかにされた。

■デミルタシュ:我々の要求は正当で合法なものである

BDPのセラハッティン・デミルタシュ党首は、KCK捜査に関して、「今日クルド人に対してこのようなことが行われるということで満足に感じている人がいるかもしれないし、公正発展党を称賛する人がいるかもしれない。しかし我々は正当で合法な要求をしている政党である」と話した。KCK捜査に関してBDP報道陣に説明したデミルタシュ党首は、現在までイスタンブル特別公認共和国首席検事局による決定のもと、トルコ全土の103ヶ所で捜査が行われていると話した。
デミルタシュ氏は、捜査が政府の責任化下にあると主張し、「今日クルド人に対してこのようなことが行われるということで満足に感じている人がいるかもしれないし、公正発展党を称賛する人がいるかもしれない。しかし我々は正当で合法な要求をしている政党である。我々は今日まで民主的に政治を行ってきた。今日まで実施した政策でトルコにおける異なった野党のあり方を提示してきた。BDPのように、この国で自由や民主主義の名のもとにある野党に対して毎日何百もの逮捕劇が繰り返されるのである」と話した。
KCK捜査が社会的平和を脅かすと主張するデミルタシュ党首は、「我々は思想の代償を今日まで払ってきた、今後もこれを払うことは厭わない。しかし、払わせることも厭わない。我々が屈服し、公正発展党の前でひざまずくなどは思わないでほしい。公正発展党は、この全ての代償を国民に払うのであり、これは疑いようのないことである」と話した。
一方、アンカラの党本部で記者会見を行ったBDPのギュルタン・クシャナク副党首は、レイラ・ザナ氏が国会議員であり、これは周知の事実であるにもかかわらず家宅捜査されたことを明らかにし、捜査が公正で普遍的な法律に反していると主張した。クシャナク氏は、「罪や(犯罪)組織があるのならば、もう一度捜査を行い終わらせてほしい、継続的に3年間も続く捜査の連鎖は、この行動が法に反しているものだということをもとより表している。砕けることが望まれている意思や、あきらめることが求められている民主政治があるのだ」と話した。記者会見には、無所属のマルディン県選出国会議員であるアフメト・トゥルク氏も参加した。

■バイデミルからツイッターでの発表

ディヤルバクル広域都市のオスマン・バイデミル市長はツイッターに「わが市にあるアラム・ティグラン音楽学校が捜査された。バーラマ、ダルブカ、ケマン、ピアノ、デフなどの犯罪に用いられる道具(訳者注:これらは楽器の名称であり、市長は皮肉としてこのように述べたのだと考えられる)を所持するセンターが捜査されている」と書き込んだ。

■ヴァンで地震の被害を受けた市舎にKCK捜査

KCK捜査で、ヴァンの市舎とBDPの県のビルも捜査の対象となった。警察は、地震の被害を受け、立ち退きが行われた市舎の中のいくつかの書類やパソコンを没収する一方で、逮捕者は出なかったと明らかにした。ヴァンで起きた2つの地震の後、ヴァン市舎は被害を受け、すでに立ち退きが行われており、書類といくつかのパソコンが残っているだけだったということだ。
KCK捜査で、シャンルウルファとヴィランシェヒル郡でもBDPのビルといくつかの市民団体組織において捜査が行われた。アタテュルク大通りにあるBDPシャンルウルファ県本部における捜査の間、BDP県支部長のファトマ・イゾル氏と幹部らは、外で待機していた。捜査の知らせを受け、党のビルを訪れたBDP所属のシャンルウルファ県選出国会議員であるイブラヒム・ビニジ氏は、捜査がイドリス・ナイム・シャーヒン内務大臣の指示のもとで行われたと主張し、「一連のことは我々に対する政治的ジェノサイドであり、内務大臣の指示で実行されている。国民の意志によって多くの場所で第2党となっているBDPに対するこの捜査に我々は屈しない」と話した。

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( 翻訳者:小松裕美子 )
( 記事ID:25182 )