南キプロス各紙、デンクタシュの死に言いたい放題
2012年01月14日付 Milliyet 紙

南キプロス各紙は、北キプロス・トルコ共和国初代大統領のラウフ・デンクタシュ元大統領の死に関し、「ギリシャ語のうわごとで、キプロス・トルコ政府や、南キプロス共和国ディミトリス・フリストフィアス首相の名をいいながら、息を引き取った」、「大量殺人テロ組織トルコ・レジスタンス・グループ(TMT)の 創始者」、「キプロス島侵略の長ラウフ・デンクタシュ死亡」などの表現で報じた。

南キプロス各紙は、キプロス・トルコ政府のラウフ・デンクタシュ元大統領の逝去に憎しみのこもった論調を示した。

ポリティス紙は、ラウフ・デンクタシュ元大統領がギリシャ語でキプロス・トルコ政府と南キプロスのディミトリス・フリストフィアス首相に言及しつつ息を引き取ったと報道。また、アリシア紙は、「大量殺人テロ組織トルコ・レジスタンス・グループ(TMT)の創始者」と報じ、フィレレフテオス紙は「キプロス島侵略の長ラウフ・デンクタシュ死亡」との表現を用いた。

ポリティス紙では「うわごとでギリシャ語をいいながら死亡。デンクタシュ元大統領が昨夜、息を引き取った」という見出しで、トップを飾っ た。記事の中では、デンクタシュ元大統領が「ギリシャ語でなにやら言葉を発し」キプロス・トルコ政府と南キプロス共和国ディミトリス・フリストフィアス首相に言及しながら息を引き取ったと、書かれている。

同紙中面では「ラウフ死亡。死の直前にはギリシャ語を話す」という見出しをつけられており、デンクタシュ元大統領が亡くなる前の健康状態に関して詳細な記事を書いている。

デンクタシュ元大統領の娘、エンデル・ヴァンギョルさんが、デンクタシュ元大統領が集中治療室でどのように過ごしていたかを話した内容を報じた新聞もある。そこでは、木曜日にデンクタシュと過ごしたエンゲルさんが、「おそらくは、キプロス・トルコ政府初代リーダーとしての経歴を神格化しようとの思いから」、人工呼吸器をつけられる前に、キプロス問題とデミトリス首相、また妻にも言及し、ギリシャ語すら話しはじめたと述べた、と記している。

■デンクタシュ死亡、キプロスに独立の痕を残した

憎しみを紙面に反映したアリシア紙も、デンクタシュ元大統領の死亡報道を「デンクタシュ死亡」の見出しでトップで報じた。同紙は中面で「デンクタシュ死亡。キプロス分離の痕を残した。彼は、(ギリシャ系の)キプロス闘争組織EOKAが母なる国ギリシャへの統合を求める運動(エノシス)をくじくために使用され、大量殺人を犯したテロ組織TMTの創始者だ。デンクタシュの人生の最終局面」と書き、デンクタシュ元大統領の死亡を、エンデル・ヴァンギョルさんの話とデンクタシュ元大統領の生前の行いを詳細に報じた。

昨日夕刻、デンクタシュ元大統領の死亡に関する噂が流れたが、21時台にその噂がデマであると報じ、その1時間後にデンクタシュ元大統領の死亡が発表されたと報じることとなった。

■「キプロス侵略の長、ラウフ・デンクタシュ死亡」

ハラヴギ紙もデンクタシュ元大統領の死亡を、中面「デンクタシュ死亡」という見出しで報じた。一方、フィレレフテオス紙は本日付の同紙の記事に「人工呼吸器につながれ重体」という見出しをつけ、デンクタシュ元大統領の健康状態に関して報じた。他方で、早朝には同紙インターネットサイトでデンクタシュ元大統領の死を「キプロス侵略の長、ラウフ・デンクタシュ死亡」という見出し伝えた。

また、シメリニ紙も本日付の同紙でデンクタシュ元大統領の状態が重篤であることに関して報じていた。

■ディミトリス・フリストフィアス首相、南キプロス住民に「トルコ系キプロス住民の心情を慮るよう」

南キプロス共和国のディミトリス・フリストフィアス首相は、南キプロス住民に(北キプロス)初代共和国首相ラウフ・デンクタシュ元大統領の逝去によって悲しみに沈むトルコ系キプロス住民の心情を慮るよう呼びかけた。また、同首相はキプロス・トルコ政府のデルビシュ・エロウル大統領に電話をかけ、デンクタシュ元大統領への弔辞を述べたことを、この日のスピーチで語った。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:25203 )