フランス上院、アルメニア虐殺否定犯罪法を可決
2012年01月23日付 Zaman 紙

フランス上院議会は、1915年の事件について(アルメニア人がトルコに虐殺されたという)アルメニア側の主張を否定することを罪とする法案を可決した。

反対票86票、賛成票127票で可決されたこの法案は、「法律により認められた虐殺を否定してはならない」と定めている。フランス議会は、2001年に「フランスは1915年のアルメニア人虐殺を認める」とする法律を承認している。

アルメニア人虐殺否定犯罪法の施行には、ニコラス・サルコジ大統領の署名と官報上での発表が必要となる。この法案は二条から成っており、第一条には「虐殺を侮辱、また矮小化し否定すること」を罪と見なすと明記されている。同法案によると、罪を犯した者には禁固1年と罰金45,000ユーロが課される。

今後、フランス下院議会と上院で国会議員と上院議員あわせて60名がこの法案に意義を唱え憲法裁判所に訴えた場合は、憲法裁判所による審議が行われる可能性がある。

■シュウール法務委員長が歴史的スピーチ

法務委員会のジャン・ピエール・シュウール委員長は、上院本会議でのスピーチで、「この法律は何の役にたつのだろうか、諸民族の友好のためになるだろうか、外交問題の解決のためになるだろうか?この法律は問題の解決に役立つだろうか?この法律ですべての問題が解決されるだろうか?」と述べ、アルメニア人虐殺否定罪法案を批判した。

法務委員会は、上院議会で可決された法案を「フランス憲法と、言論及び研究の自由に反している」として反対している。

同法案に反対を表明している法務委員会によって作成された申立書と、同様に法案に反対する他の二通の申立書は、今晩(1月23日の夜)本会議で大差をつけ却下された。上院本会議は、その後提出された別の5通の申立書も却下した。

フランス下院議会は今日上院で承認された法案を12月22日に可決している。

フランスの歴史家、憲法専門家、左右両派の一部の主要メディアは、法案を批判的に捉えている。ニコラス・サルコジ大統領は、同法案に対し昨年までは強く反対していたが、大統領選挙を控え、国内のアルメニア人ディアスポラの票を獲得するため、法案提出を許可した。

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( 翻訳者:篁日向子 )
( 記事ID:25306 )