アフマド・ハータミー「ヨーロッパはイランへの制裁で自らに災いをもたらしている」
2012年01月28日付 Jam-e Jam 紙

 テヘラン金曜礼拝で説教を行ったアフマド・ハータミー師は、イランに対する石油禁輸は真新しいことではなく、イランの経済に根本的な影響を及ぼすことはないだろうと強調した上で、「欧州連合(EU)は今にもすり切れそうなアメリカのロープをつたって、井戸の下に降りていき、自らに災いをもたらしている」と述べた。

 メフル通信の報道によれば、アーヤトッラー・セイエド・アフマド・ハータミーは昨日のテヘラン金曜礼拝の説教で、「EUによるイラン産原油の禁輸は、真新しいことではない。〔初代イマーム・アリーの父親で預言者ムハンマドの叔父にあたる〕アビー・ターレブの部族にいた預言者の敵たちも同じことをし、〔ムハンマドが628年にユダヤ教徒の町ハイバルに遠征した〕『ハイバルの戦い』でムスリムたちを厳しい圧迫のもとに置いたが、〔それにもめげず〕イスラームは神の恩寵により、自らの道を歩み続けたのだ」と述べた。

〔‥‥〕

 ハータミー師はまた、対イラン制裁は前例のないものではなく、〔1979年の〕革命の初期から今日に至るまで、多かれ少なかれ存在してきたと指摘した上で、「我々の革命の特色の一つは、〔苦境から〕チャンスを作ってきたことである。30年以上にわたって加えられているこの制裁の最中にあって、我が国は驚くべき進歩を核の分野で成し遂げたのだ」と述べた。

 同師は、今回の制裁が、国民が跳躍を果たし、石油に依存しない経済へと邁進するきっかけとなることに期待を表明し、そのためには製造業を重視する姿勢が必要だと指摘した。

 テヘラン臨時金曜礼拝導師のハータミー師はさらに、今回の制裁は我が国の経済に根本的な影響を及ぼすものではないと強調した上で、「我が国の石油のうち、スペインやイタリア、ギリシャ、フランスのようなヨーロッパ諸国に輸出されているのは、多くても17パーセント程度である。そして彼らも、自らが抱える様々な問題に沈んでいるのである。今回の制裁で、彼らが抱える問題がさらに増えるのは間違いない。現在、1バレル110ドルに達しており、今後さらに値上がりするだろう」と指摘した。

 同師はまた、ヨーロッパ諸国に向けて、「あなた方は我々を制裁する以前に、自分たち自身に制裁を科しているのだ。ありがたいことに、我が国の石油には〔西洋諸国の圧迫から〕独立した顧客がいる。我が国の石油を言葉には言い表せないほど歓迎し、『私たちに石油を売ってくれ』と懇願してくる顧客がいるのだ」と語った。

 ハータミー師は現在おかれている状況はイラン国民の独立の代償なのだと指摘し、「こうした独立の代償は、宗主国など欲しくない国民が払わねばならないものなのである。32年間、革命のために代償を支払ってきた国民は、〔核開発という〕この目的のためにも、神の恩寵の下、代償を支払い、自らの敵を打ち倒すだろう」と述べた。

 ハータミー師は制裁の発動まで2ヵ月間の猶予が設けられていることについて、EUに語りかける形で、次のように述べた。「なぜいますぐに制裁を行わないのか?それは自らが困難と危機に直面しているからだ。今後どうなるか見てみたい、国会選挙までの間に、選挙に影響を与えたいと考えているのだろう。その上で、『ごめんなさい、私たちの計画はうまくいきませんでした』と言って、一目散に逃げ出そうと考えているのだ」。

 同師はその上で、「このストーリーで何とも笑ってしまうのは、サウジアラビアの役回りだ。サウジはヨーロッパ諸国に、『私たちがあなた方の必要とする石油を供給してあげますよ』などと言っているからだ。しかし第一に、あなた方〔=サウジアラビア〕にはこんなことをする〔=イラン産原油に対する制裁で不足した原油を供給する〕能力などないはずだ。そして第二に、〔「アラブの春」によって独裁政権を打ち倒した〕この地域の『目覚めし諸国民』が〔西洋諸国の犬と化した〕あなた方に災いをもたらし〔‥‥〕、何もできない状態に追い込むだろう」と付け加えた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:8409102 )
( 記事ID:25415 )