トルコ肥満学会が、12県の15歳以上の1563人を対象に行った「トルコにおける食習慣と運動量レベル調査」の結果が公表された。
トルコ肥満学会が、12県の15歳以上の1563人を対象に行った「トルコにおける食習慣と運動量レベル調査」の結果が公表された。記者会見で発表された調査結果によると、全体の68%が毎日朝食をとっている。昼食を規則的にとっている割合は63%、不規則にとっている人の割合は37%だった。夕食は全体の72.7%が規則的にとり、外食ですまされるのは昼食が最も多い。一方、家でとられる食事として最も多いのは、朝食と夕食である。
「伝統的な食事スタイルは維持されている」
調査結果は、トルコ肥満学会のナズィフ・バールアチュク会長によって発表された。バールアチュク会長は、「トルコの12の地域を選びました。12県で1563人を対象に「食事量に関する調査」を行い、ここからデータを得ました」と述べた。
トルコ社会は様々な習慣を持つ社会であると述べるバールアチュク会長は、「この社会に対し、一様な食習慣や運動活動を期待するのは正しくありません。こうした観点から、信頼度95%、誤差2.5%として行ったこの調査は、トルコ統計機構(TÜİK)が選んだ県や地域を対象に行われたので、とても面白い結果と情報をもたらしてくれています」と話した。
その後バールアチュク会長は調査結果を発表し、「重要な結果は何でしょう?伝統的な食事スタイルは維持されています。パン、スープ、チーズ、オリーブの消費は続いています。牛乳の消費は減少しています。アメリカで年間一人当たり400㎏消費されていて、ヨーロッパでは360㎏、私たちは年間、たった26㎏しか消費していません。つまり、一日70gの牛乳しか飲んでいないのです」と述べた。
「年間平均27㎏の砂糖を消費している」
バールアチュク会長は、砂糖の消費に関しても重要な数値を発表した。バールアチュク会長は、「砂糖の消費に関しては、トルコは年間平均27㎏消費しています。これは、トルコ科学技術研究機構(TÜBİTAK)の2010年のデータに基づいています。アメリカでは37㎏、ドイツでは40㎏、フランスでは35㎏、イスラエルでは66㎏です」と語った。また、食事が不規則にとられているとバールアチュク会長は指摘し、「食事のために多くの時間を割くことはできません。様々な労働環境のために、間食の習慣もあまりありません。しかし、これは大都市においては努力すれば可能です。アナトリアではとても少ないです。間食というのは、トーストやシミット、ボレキ、ビスケットを食べることです。十分でバランスのとれた食事という意味をだれもわかっていないという状況です。カロリー計算について知識のある人も我々の社会にはあまりいません。これらを十分に理解しているとはいえません。最も重要なことは、テレビやパソコン、電子機器を使う時間が、日々、体を動かしている時間の3倍に匹敵していることです」と述べた。
朝食と夕食は家で、昼食は外食。
調査によると、家では朝食と夕食のみがとられている。バールアチュク会長は、「家の外で最も多くとられている食事は、昼食です。これは、働いているためです。家でとられている食事は朝食と夕食であることが明らかになりました。朝食では、伝統的な食材が消費されています。パン、チーズ、オリーブ、ジャム、蜂蜜、卵、きゅうりです。これに加え、シミット、ソーセージ、サラミも食べられています。月平均(消費量)の25%にあたるパン、チーズ、オリーブとそれに続く食材を消費しています。スィミットやケーキ、ボレキは欠くことのできない食べ物として、伝統的な食スタイルとなっていることがわかります。昼食に何を消費しているかというと、伝統的なものとして、パン、サラダ、スープ、米またはブルグル(ひき割り小麦を煎った穀物)のピラフ、これらが筆頭にきます。夕食に何を食べているかというと、パン、サラダ、スープ、ヨーグルト、ピラフ、これらが筆頭にきます。肉なしの野菜料理を毎日消費している割合は、とても小さいです。オリーブオイルを使ったものは夕食にあまり食べられていません」と語った。
「私たちは、チャイ、コーヒー、アイラン“中毒”」
バールアチュク会長は、飲み物に関しても興味深い数値を示し、「ノンアルコール飲料について調査しました。チャイ、コーヒー、アイランが筆頭にきます。チャイとコーヒーは、夏でも冬でも常時消費されています。30日間の平均は52杯で、常にチャイとコーヒーが消費されています。アイランはひと月のうち25日飲みます。炭酸飲料の消費量が大幅に減少し9%でしたが、夏には10.4%になる。チャイやコーヒー、アイランほど炭酸飲料は消費されていません。牛乳を飲む習慣は週に6日で、およそ9%でした。ハーブティーやエネルギー飲料はランク外でした。私たちは、チャイ、コーヒー、アイラン“中毒”です。一般的に、私たちの26.6%がアルコールを摂取し、73.4%は摂取しません」と語った。
「一日2時間15分をパソコンに費やしている」
パソコンを使用する割合が大きいと述べたバールアチュク会長は、「一日平均2時間15分をパソコンに費やす人々がいます。同様に、2時間20分テレビを見ることに費やしています。つまり、動くことなく座っているのです。この調査の最も重要なテーマは、若者や子供たちを、運動せず座っていたり、ipadに夢中になっていることから何らかの形で、救う必要があるということなのです。結果として、私たちが、バランスのとれた十分な食生活を送っていないことが分かりました。運動の必要性、重要性が認識されていないことも明らかとなりました。肥満は、運動を怠り、バランスのとれた食事をとらなかったことから生じると言えるのです」と述べた。
以下は、トルコ肥満学会、ナズィフ・バールアチュク会長が発表した結果のうち、注目されるものは以下の通り。
・牛乳の消費量が少ない。アメリカで年間一人当たり400㎏、ヨーロッパでは360㎏消費されている。私たちは、年間たった26㎏しか消費していない。
・食事のために十分な時間が割けない。労働環境のため、間食の習慣も少ない。
・カロリー計算のようなものを知っている人は少ない。依然、十分に理解されていない。
・チャイ、コーヒー、アイラン「中毒」である
・一日平均2時間15分、パソコンに割く人がいる。同様に2時間20分テレビに割く人がいる。つまり、動かないでいる。
・私たちの社会では、バランスのとれた十分な食習慣が送られていないことが分かった。運動が必要で重要だと認識されていない。肥満は、運動不足とバランスの悪い食事から生じたといえる。
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( 翻訳者:丸山 礼 )
( 記事ID:25497 )