国会憲法委員会で発言予定のギリシャ正教総主教、非ムスリムの公務員採用求める
2012年02月14日付 Milliyet 紙

ヴァルトロメオス総主教が発言すると予想される共通要請事項の中には、神学校開設の他、非ムスリムの公務員採用を求める一方で、裁判官や検察官など高級官僚への門戸を開くことを求めている。

国会憲法委員会は、最終的な変更がなければ、2月20日にフェネルのギリシャ正教ヴァルトロメオス総主教の発言を聞くことになる。同総主教は新憲法における非ムスリム問題を説明し、非ムスリム学校の支援と神学校の開設を求めることがわかった。総主教は、アルメニア教徒とギリシャ正教徒について、教科書に書かれている「裏切り者」のような嫌悪感を触発するような表現の撤去、非ムスリムの信徒集団に政府の宗務予算からの配分を検討するよう発言すると予想される。

■ヴァルトロメオス総主教発言予定

国会憲法委員会を構成する市民社会団体、協会、財団そして非ムスリムの信徒集団下部組織は2月20日にヴァルトロメオス総主教と話し合いの機会をもつ予定であ る。ヴァルトロメオス総主教は、2月15日までは予定が詰まっていること、新憲法に関して自身の見解を直接述べたいとし、国会には2月末に訪れたいと伝えていた。折衝の結果、2月20日で原則合意し、変更が行われなければヴァルトロメオス総主教は来週の月曜日に国会憲法委員会に向かう予定だ。

委員会は、ギリシャ正教徒総主教座の他、トルコの非ムスリムの信徒集団の代表らも招いており、ユダヤ教徒やシリア正教徒 などの非ムスリムの見解も聴取する予定である。情報によれば、ギリシャ正教徒、アルメニア教徒、ユダヤ教徒とシリア正教徒教団は、新憲法関連の作業を完了した。ヴァルトロメオス総主教が発言すると予想される共通要請事項には、非ムスリムにおける教育問題を全面にだしている。要請事項には、ローザンヌ条約によれ ば、政府は教育において非ムスリム財団に均等な支援を行うことが記されていること、1974年まではこの条項が部分的であれ守られていたにもかかわらず、その後撤廃されたことが強調されている。また各集団の宗教指導者の育成において深刻な問題をかかえていること、そしてこの問題を解決するためにも学校の開設を求めている。つまりまずはじめに神学校開設を求めている。

■上級職の公務員

要請事項には、非ムスリムの公務員採用について強調する一方で、裁判官や検察官など上級職の国家公務員への門戸を開ける旨を述べている。トルコでは、イマーム同様に聖職者やラビの給料も政府から支給する必要があると述べており、宗務庁の予算から非ムスリム向けの予算分配を求めている。

事項には、「非ムスリムの信徒の集団にも法人格を与えてほしい。そうすれば資金を得ることができるし、財団の定款を変えることもできる。EUファンドからの支援パイプもつなげられる。授業や歴史教科書から、アルメニア教徒、ギリシャ正教徒、ユダヤ教徒らに向け「虐殺をした、裏切り者である」などの表現を取り除くべきだ。テレビなどで、非イスラム教徒についてでたらめに言うことは、フラント・ディンク氏殺害のような憎むべき犯罪につながるのである。これを未然に防ぐべきである」という要請が記されている。

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( 翻訳者:小幡あい )
( 記事ID:25557 )