金貨の価格暴騰、婚資金未払いの罪に問われている人たちの運命にも飛び火
2012年01月29日付 Jam-e Jam 紙
専門家ら、現状に鑑みるならば、婚資金として支払われる金貨の分割払いについて調整の必要があると指摘
【社会部:マストゥーレ・バラーダラーン=ナスィーリー】金貨を保有してもいなければ、〔金貨の〕売買にも関わっていない、私やあなた方のようなホワイトカラー/ブルーカラーの労働者にとっては、おそらくここ数週間の金貨の価格上昇は新聞の見出しの言葉、ないしはインフレの昂進に対する懸念にすぎないだろう。しかし婚資金の未払いの罪で有罪判決を受けている人たちにとっては、今回の〔金貨の〕価格上昇は身の破滅にも似たものがある。
先週、本紙への電話の中で身の上話をしたある市民の例を紹介しよう。この人物は、金貨の価格が約25万トマーン〔約1万5千円〕だった2年前、妻と離婚し、裁判所の判決によって婚資金として定められた金貨100枚を、毎月1枚ずつ彼女に支払うことになった。
この人物はここ数日の金貨の価格上昇に恨み言を述べつつ、もし現在の価格で毎月金貨1枚を妻に渡すと、自分の収入は何も残らなくなってしまう、そればかりか裁判所の判決を実行するためには、〔毎月の収入に〕一定金額をプラスする〔=つまり借金をして金貨を購入する〕必要すら出てくる、と言う。
離婚の権利や〔別れた妻に対する〕扶養費にかんする法律的な問題が原因で、女性たちは自らの夫にプレッシャーをかける際、婚資金を「テコ」として利用するようになっている。
このようなケースで、仮に男性側が〔‥‥〕婚資金を支払えない場合、彼は強制的に刑務所に収監されることになる。無論、離婚件数と婚資金未払いによる囚人の増加に伴い、近年では婚資金の分割払いが論じられるようになり、判決で婚資金の支払いを命ぜられたこうした人たちの刑務所行きに関する問題も解決可能となってきた。
しかし、ここ数日の金貨価格の急激な上昇により、婚資金の支払いにも悪影響が及ぶようになっている。実際、裁判所が下した分割払いの判決は、当時の金貨の相場を想定したものであり、そのため現在の金貨の価格上昇にともなって、男性側の支払い能力も弱まっているのである。
■ 婚資金未払いによる囚人の数は3000人以上
現在、誤った結婚のツケを、毎月の金貨の支払いによって払っている人たちがどの程度いるのか、定かではない。しかし「国家賠償金本部」の統計によると、3000人以上が婚資金の支払い能力の欠如を理由に、刑務所に収監されているという。離婚の数も昨今は顕著な増加傾向にあり、平均すると国内のカップルの約7組に1組が離婚に至っている。
〔‥‥〕金貨の価格上昇によって、生活にさらなる火の粉が降りかかっている人は少なくない。金貨の価格上昇によって、金貨不払いで収監されている囚人の釈放に向けた希望も色褪せる一方、判決によって現在婚資金の分割払いをしている人たちが刑務所に収監される日も、日一日と近づいているのである。
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( 翻訳者:8408166 )
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