エーゲ大学医学部が主催した第10回健康市民会議で、「塩と私たち」というパネルが開催された。パネリストのアリ・バシュチュ教授は、一日6グラムの塩分を摂取するだけでメタボリックシンドロームになる危険性があるとし、「残念ながら私たちの)塩分摂取量は、通常の摂取量の3倍に達している。トルコでは一人当たりの(1日の)塩分摂取量は18グラムである」と語った。
パネリストとしてパネルに参加したイズミル県保健局長で外科医のメフメト・オズカンは、保健省が75,000世帯を対象にバランスの取れた健康的な食生活に関するアンケートを行ない、その結果はもうすぐ発表されるものと思われると述べた。オズカン局長は、「このアンケート調査は、トルコの健康問題の未来を占うという点で大きな一歩である。」と話した。
エーゲ大学医学部のタイラン・カバラク教授は、健康的な食事に関し塩分を控える必要があると強調し、「イギリスでは、煙草が健康に与える害について人びとに警告するということに似た対策を取って、塩について人々を啓発する活動が行われている。トルコでも同様の対策を実施すべく活動を続けている。しかし、まず塩が若いうちに動脈硬化、高血圧、甲状腺腫のようなメタボリックシンドローム体質に深い影響を与える病気の原因となるという意識を持ってもらうことが必要である。この段階に達した後に、商品の上にどれほど塩が健康に有害であるかという警告表示を載せることができる」と述べた。
■一人当たり塩の消費は18グラム
エゲ大学医学部のアリ・バシュチュ教授は、一日当たり6グラムの塩の摂取でもメタボリックシンドロームになるには十分であるが、トルコではこの数字を超えていると述べた。バシュチュ教授は、「残念ながら私達の塩の消費量は、必要量の3倍である。トルコで塩の消費が一人当たり18グラムに達している。最近までは、日本でもだいたい同じような状態であったが、現在、日本では大幅に状況が改善している。食品の栄養表示を導入することは、消費者がどの商品にどれだけの塩が含まれているかを知り、食塩について注意を払うきっかけとなるだろう」と話した。
参加者から出た質問に回答したエーゲ大学学長のジャンデーエル・ユルマズ教授は、病気への無知が大きな問題であることを強調して、「血圧の病気の患者の多くは、どれだけ薬を飲んだのかすら全く気にしない。継続的に繰り返される治療の過程で過剰に薬を摂取してしまったことの責任を医者に押し付ける。残念ながら、病院に行ったことで仕事は終わったという考えが蔓延している」と述べた。
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:25737 )