トルコに設立のイラン系企業、急増
2012年03月07日付 Zaman 紙

イランがトルコに設立する企業が急増している。イラン系企業の4社に1社以上が2011年に新設されており、イランは国連の経済制裁をトルコのもとで耐えようとしているのか、という疑問が浮かぶ。

国際連合から核兵器開発に対する経済制裁を受けているイランだが、トルコに設立した企業が急増している。サンデーズ・ザマン(Sunday’s Zaman)紙の報道によると、トルコに設立されたイラン系企業の総数は、昨年41%の増加を示した。昨年設立された590社を合わせると、トルコのイラン系企業は2140社に達した。トルコ商工会議所連合のデータによると、イラン系企業の4社に1社以上が2011年に設立されている。専門家によると、イランの目的は国連の制裁をトルコのもとで耐えることだ。ザマン紙が取材したある政府関係者は、「これらの企業が、トルコの法律や国際世論との調和に即した活動をするか監視している。トルコの利益を危険にさらすようなことはさせない」と話した。トルコは石油と天然ガスの使用量のうち、約30%をイランから輸入している。

トルコ―イラン間の貿易額は、昨年およそ160億ドルに達した。しかし、このうち125億ドルはトルコのイランからの輸入が占めており、輸入のほとんどが天然ガスや石油の関連製品である。この分布を他国の貿易実績と比べても、イラン系企業の増加は不自然で注目を集めるものであり、イランは国連の経済制裁をトルコのもとで耐えようとしているのか、という疑問が自ずと浮かんでくる。トルコ政府は国連決議に従っているが、欧米の一方的な制裁を支持してはいない。

イランは今年も、トルコを足がけに世界へ開ける政策を決然と続けている。2012年1月、イラン資本の企業はさらに63社新設された。貿易額が年間370億ドルに達し、トルコ最大の貿易相手国であるドイツが同時期に設立した企業は36社。対イラン貿易が貿易額の大部分をトルコの石油・天然ガスの輸入で占めているのに対し、対ドイツ貿易にはこのような偏りは見られない。これに注目すると、イラン系企業の増加はさらに目を引くものといえる。イランで数十億ドル規模の投資を行う、あるトルコ系企業の元幹部は、今回の企業の増加には2つの理由があると話す。一つ目は国連や欧米の制裁をトルコを通じて突破すること。二つ目は経済活動の伝統を持ちながら制裁によって不自由を強いられたイラン系企業が、トルコを通じて世界を相手に活動しようとすることだという。

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( 翻訳者:池永大駿 )
( 記事ID:25751 )